港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ

港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ

「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」は、1975年にリリースされたダウン・タウン・ブギウギ・バンドのシングルであり、当初は「カッコマン・ブギ」のB面として発売されました。この楽曲は、発売後すぐに大ヒットを記録し、オリコンチャートで5週間連続1位を獲得しました。また、1975年のオリコン年間ヒットチャートでも5位にランクインし、同年の第26回NHK紅白歌合戦にも初出場を果たしました。

楽曲の内容と背景

この曲は、ギターによるリフを基に、セリフ形式で語られる独特な構成が特徴で、作詞は宇崎竜童の妻である阿木燿子が手掛けました。阿木はこの曲で作詞家デビューし、主に女性を探す主人公が様々な証言者からその女性に近づく内容となっています。歌詞に登場するセリフは、その証言者たちの言葉で構成され、横浜や横須賀という地名がタイトルに反映された「ご当地ソング」として親しまれています。シングル・バージョンでは、港の音や汽笛音といった効果音も挿入され、より一層の臨場感を与えています。

宇崎は、阿木の詞に強く惹かれ、「これが自分の歌だ」と感じ作曲を開始しましたが、歌詞の冒頭が既存の楽曲に似てしまうことに悩んでいました。そんな時にアメリカのトーキング・ブルースが彼のヒントとなり、すべての歌詞を語る形式にするというアイデアが生まれました。

メディアでの取り上げ

この楽曲は、その後も様々なメディアで使用されました。特に、1997年には富士フイルムの「写ルンです」のCMに採用され、稲垣吾郎が出演しました。さらに、2010年には明治の「きのこの山」のCMで替え歌として使用されたり、2023年にはニデックのCMでも川口春奈による替え歌が使用されるなど、時代を超えて多くの人々に親しまれています。

関連作品やカバー

また、「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」は多くのアンサーソングやカバー曲も生まれました。特にエコノミック・アニマルズによるシングル「帰って来た港のヨーコ」が話題を呼んでいます。この楽曲は、ヨーコ側の目線から描かれた物語となっており、阿木と宇崎は製作には関与していません。

他にも、様々なミュージシャンによってカバーされており、2002年には宇崎竜童自身によるセルフカバーも発表されています。

映画化

この楽曲の影響は音楽だけに留まらず、1975年には松竹映画「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」として映画化されました。本作は、姉を探しに行く妹の物語を描いたもので、キャストには当時人気の女優たちが揃い、音楽も宇崎が担当しました。

このように、「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」は発売から数十年経った今でも影響を与え続け、多くの人々に愛される楽曲となっています。

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