港務隊

港務隊（こうむたい）

港務隊は、海上自衛隊において特に港湾の運用や支援、さらには港湾や水路の防衛を担当する専門部隊です。この部隊は、日本各地の海上自衛隊基地に設置されており、その長は港務隊長と呼ばれます。また、各地方隊の警備隊に組織されています。

主な任務と機能

港務隊の主たる任務は、次の通りです。

• - 港湾施設の運用：艦船の入出港を円滑に行うため、必要な施設や機器を維持・改善します。
• - 艦船の錨地の指定：安全な停泊を実現するため、艦船が停泊できる場所を選定します。
• - 艦船に対する便宜供与：艦船の運航にあたり、さまざまな支援を提供します。
• - 支援船の管理及び運用：港務隊は、特に水中処分隊に配属される支援船を除く、多数の支援船を保有しており、それらを運用・管理します。
• - 港湾及び水路の安全確保：艦船の安全な航行を保障するため、港湾や水路の監視・保護に注力します。

実務内容は非常に多岐にわたり、最も基本的な作業としては、曳船による出入港支援から、港湾設備の保守・管理までを行っています。これに加えて、各支援船の船長や機関長には、幹部だけでなく海曹が指定されることが多いのも特徴です。運航や機関に関わるポジションに就く者は、部内で必要な海技資格を保持しています。

配置される基地

港務隊は、以下の主要基地に配置されています：

• - 大湊港務隊：大湊警備隊（青森県むつ市）
• - 横須賀港務隊：横須賀警備隊（神奈川県横須賀市）
• - 舞鶴港務隊：舞鶴警備隊（京都府舞鶴市）
• - 呉港務隊：呉警備隊（広島県呉市）
• - 佐世保港務隊：佐世保警備隊（長崎県佐世保市）

これらの基地において、港務隊は地域の海上安全を支えています。

支援船の種類

港務隊は多くの支援船を保有しており、それぞれの船に特化した目的があります。ここでは主な支援船の種類を紹介します：

支援船第1種

• - 曳船（YT）：例えば、曳船58号型や曳船75号型など
• - 水船（YW）：水船17号型
• - 重油船（YO）：油船25号型、油船28号型
• - 軽質油船（YG）：油船203号型
• - 廃油船（YB）：廃油船105号型
• - 運貨船（YL）：運貨船9号型（計9隻）
• - 交通船（YF）：内火艇や内火ランチの交通船

支援船第2種

• - 油槽船：油槽船1号型（計2隻）

支援船第3種

• - 伝馬船（T）：伝馬船6081号型

支援船第5種

• - 特別機動船（SB）：特別機動船1号型から23号型。

小規模基地における運用

なお、地方隊が存在しない主要な基地や小規模基地、航空基地および術科学校に配備されている支援船については、港務隊の管轄外で、それぞれの部隊が運用します。

港務隊は、日本の海上自衛において重要な役割を果たしており、その活動は多くの人々の安全を守るために尽くされています。

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