油槽船1号型

油槽船1号型の概要

油槽船1号型（YOT-01 class oil tanker）は、海上自衛隊で使用される第2種支援船であり、最大で4,900トンの油を搭載できる能力を持っています。本船は海上自衛隊が保有する支援船の中で最も大きなもので、主に国内の製油所から海上自衛隊の基地に至るまでの燃料輸送を担っています。

海上自衛隊は、これまで洋上給油や洋上補給を行う補給艦を所有していましたが、このタイプの大型油槽船を保有するのは初めてのことです。これにより、以前は民間企業に委託していた輸送業務が大幅に効率化され、迅速な燃料供給が可能となりました。以前は、基材間や製油所からの燃料輸送には、2～3カ月かかることもありましたが、油槽船の導入により、輸送期間が短縮され、経費の削減も期待されています。有事の際に民間船への委託が難しくなることも考慮され、軍事的な観点からも非常に重要な役割を果たします。

建造の背景

油槽船1号型は、2019年（平成31年度）の防衛省予算に基づく中期防衛力整備計画（31中期防）において、艦艇の支援能力を強化するために整備されました。この計画の下、2隻の油槽船の建造が計上され、新来島どっくが2020年に50億6,000万円で受注しました。この船は、新来島どっくによる防衛省向けの艦船としては初の建造品です。

設計の特徴

この船の設計は、日本海事協会が制定した「NK規則」に従った内航タンカーの仕様を基にしている点が特徴です。船首にはバルバスバウといった特殊な形状があり、バウスラスターも装備されています。船内には12の貨油タンクが設けられており、これは最大で4,900トン（約6,000,000リットル）の燃料を格納することが可能です。積載される燃料には、軽油や船舶燃料、ジェット燃料などの白油が含まれ、さまざまなシーンでの使用が想定されているのです。

配属と運用

この型の油槽船は、2隻が建造され、どちらも呉基地の呉港務隊に配属されています。このことで、海上自衛隊は細部にわたる支援能力を強化することができるようになりました。油槽船1号型は、海上自衛隊の艦艇一覧の中でも重要な位置を占めており、支援船としての役割を果たし続けています。

まとめ

以上のように、油槽船1号型は、日本の海上自衛隊における重要な役割を担う大型の油槽船です。燃料輸送の迅速化、効率化を実現し、有事の際にも即座に対応できる体制を整えています。今後も海上自衛隊の活動を支える大切な艦艇として、その機能を発揮していくことでしょう。

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