港南警察署

港南警察署

港南警察署（こうなんけいさつしょ）は、神奈川県警察に所属する警察署の一つです。横浜市警察部の指揮下、第一方面に位置づけられる中規模の警察署であり、署長は警視が務めます。警察官の識別章に表示される所属コードは「IG」です。かつては「大岡警察署」という名称で地域を見守ってきました。本署は、およそ21万人が居住する横浜市港南区の全域を管轄し、市内でも有数のベッドタウンとして知られるこの地域の治安維持を担っています。

管轄区域は、全体として閑静な住宅地が広がるエリアが主体ですが、区の北部に位置する上大岡駅周辺は、横浜市南部地域を代表する一大繁華街として発展しており、特に人口の増加が著しい地域です。また、区域内を縦断する主要幹線道路である神奈川県道21号横浜鎌倉線（通称：鎌倉街道）や市道環状2号線などは、昼夜を問わず交通量が極めて多く、これに伴う交通事故の発生件数も少なくありません。港南警察署は、このような多様な地域特性に応じたきめ細やかな警察活動を展開しています。

所在地と管轄区域

所在地：横浜市港南区港南中央通11番1号
最寄駅：横浜市営地下鉄ブルーライン 港南中央駅
管轄区域：横浜市港南区全域
管轄面積：19.86平方キロメートル

沿革

港南警察署の起源は、1921年4月1日に設置された寿警察署日下分署に遡ります。その後、1926年6月10日には日下警察署として独立し、昇格を果たしました。現在の名称に至るまでにはいくつかの変遷があり、「大岡警察署」と改称されたのは1928年7月1日のことです。

第二次世界大戦後、警察法の公布を受け、1948年3月7日には自治体警察制度のもと横浜市警察が発足しました。これに伴い、当署も横浜市大岡警察署として新たなスタートを切ります。1949年10月1日には、管轄区域の一部である大岡町字永窪が寿警察署へ移管されました。

1955年7月1日、横浜市警察が神奈川県警察に統合されたことを受け、神奈川県大岡警察署となります。現在の庁舎が横浜市港南区笹下町（現在地）に完成し、旧所在地であった横浜市南区大岡町から移転したのは1966年5月1日のことでした。この移転に伴い、旧本署の場所には1966年5月6日に大岡町派出所が設置されています。

1970年4月には、横浜市の行政区再編が行われたことにより、管轄区域の一部が寿警察署（現在の南警察署）へ移管されました。そして、1972年4月1日に、神奈川県港南警察署として現在の名称に改称されました。比較最近の出来事としては、2022年4月1日に関の下交番が廃止となり、上大岡駅前交番に統合されています。

庁舎

現在の港南警察署の庁舎は、本館と新館の二棟構造となっています。しかし、2022年時点では、施設の老朽化や手狭になったことから、庁舎の建て替え計画が進められています。

組織・人員

港南警察署は、およそ200名の署員で構成されています。組織体制としては、署長（警視）の下に副署長（警視）、地域担当次長（警視）が置かれ、以下の10課体制で運営されています。

警務課（警務係、住民相談係）
留置管理課（2016年度新設）（管理係）
会計課（会計係）
生活安全課（防犯少年係、経済保安係）
地域第一課、地域第二課、地域第三課（それぞれ地域係）
これらの地域課には、パトロール用の警ら用無線自動車3台と小型警ら車4台が配備されています。
刑事課（刑事総務係、強行犯係、知能犯係、盗犯係、鑑識係、組織犯罪対策係）
交通課（交通総務係、交通捜査係、交通指導係）
警備課（警備係）

地域警察施設

管轄区域内の各所には、地域住民の安全を守るため、交番と駐在所が設置されています。

交番（9ヶ所）

上大岡駅前交番（港南区上大岡西一丁目）
笹下交番（港南区笹下三丁目）
日野交番（港南区日野七丁目）
芹が谷交番（港南区芹が谷二丁目）
南高校前交番（港南区大久保三丁目）
野庭交番（港南区野庭町）
港南台駅前交番（港南区港南台三丁目）
上永谷駅前交番（港南区丸山台三丁目）
港南台南交番（港南区港南台六丁目）

廃止された交番

関の下交番（上大岡西二丁目） - 1968年9月に開設されましたが、2022年3月末をもって上大岡駅前交番に統合され、運用を終了しました。

駐在所（1ヶ所）

日限山駐在所（港南区日限山四丁目）

その他の設備

街頭緊急通報装置: 上大岡駅周辺（港南区上大岡西一丁目）に1基設置されています。
自動車ナンバー自動読取装置: 神奈川県道21号線沿いやその他市道など、複数箇所に設置されています。

港南警察署は、人口が密集する住宅地、活気あふれる繁華街、そして交通量の多い主要幹線道路を抱える港南区という特性を踏まえ、地域に根差した警察活動を通じて、住民の安全・安心な暮らしのために日々活動を続けています。

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