港湾管理者

港湾管理者とは

港湾管理者とは、港湾の秩序ある整備と適正な運営を目的として、港湾の開発、利用、保全に関する業務を行う地方公共団体などを指します。港湾は、物流や人々の移動において重要な役割を果たす社会基盤であり、その機能を維持・発展させるために、港湾管理者は不可欠な存在です。

港湾管理者の設立母体

港湾管理者の設立母体は、主に港務局または地方公共団体です。港務局を設立しない港湾では、地方公共団体が単独で港湾管理者となるか、または地方自治法に基づき一部事務組合や広域連合を設立して港湾管理を行います。

港湾管理者の設立形態

港湾法では、港湾管理者の設立形態として、都道府県、市町村、一部事務組合、広域連合、港務局が定められています。これらの組織が、それぞれの地域の実情に合わせて港湾の管理運営を担っています。

港湾管理者の業務

港湾管理者は、港湾の機能維持と発展のため、多岐にわたる業務を遂行しています。主な業務内容は以下の通りです。

計画策定・維持管理

港湾計画の策定：港湾の将来を見据えた計画を策定します。
港湾区域及び港湾施設の維持管理：港湾施設を良好な状態に保ちます。

港湾工事・土地造成

港湾工事の実施：港湾施設の建設や改良工事を行います。
水面の埋め立て等：港湾区域内の水面を埋め立て、土地を造成します。

施設管理・運営

港湾施設の管理：国や地方公共団体が所有する公共港湾施設を管理します。
係留施設の運営：一般公衆向けの係留施設を運営し、利用規制を行います。

規制・指導

水域施設の使用規制：水域施設の使用に関して必要な規制を行います。
入出港届の受理：入港・出港する船舶から届出を受理します。

安全対策・環境保全

消火・救難・警備：港湾区域における安全確保のための設備を設けます。
油流出対策：油の流出を防ぐための資材を備えます。

調査研究・情報提供

調査研究：港湾の開発、利用、保全に必要な調査研究を行います。
広報活動：港湾の利用を促進するための広報活動を行います。

船舶へのサービス

船舶への給水：船舶への給水サービスを提供します。
離着岸補助：船舶の離着岸を補助します。
廃油処理：船舶の廃油を処理します。

その他業務

港湾施設の貸付：公共性の低い港湾施設を貸し付けます。
施設使用規制：港湾施設の有効利用を促進するための規制を行います。
役務の斡旋：港湾運営に必要なサービスを斡旋します。
貨物取扱改善：貨物の積卸し、保管、運送の改善を斡旋します。
環境関連施設の管理：廃棄物埋立護岸、海洋性廃棄物処理施設などを管理運営します。
福利厚生施設の設置：港湾労働者のための休泊所などを設置・管理します。
料金表の作成：港湾利用に必要な料金表を作成し、公表します。

港湾管理者の現状

2021年4月1日現在、日本には複数の港湾管理者が存在し、各港湾の特性に応じた管理運営を行っています。

まとめ

港湾管理者は、港湾の秩序ある整備と運営を通じて、物流や人々の移動を支える重要な役割を担っています。その業務は多岐にわたり、港湾の安全性、機能性、環境保全に貢献しています。港湾管理者の存在は、社会経済活動において不可欠であると言えるでしょう。

参考資料

港湾法 - e-Gov法令検索
港湾法施行令 - e-Gov法令検索
港湾法施行規則 - e-Gov法令検索
港湾管理者一覧表（国土交通省-統計情報 → 港湾関係情報・データ ）

もう一度検索