港長

港長とは

港長（こうちょう、英語: Harbourmaster）は、港湾における港則の執行責任者です。港湾の安全管理と秩序維持において、非常に重要な役割を担っています。

日本における港長

日本では、港則法に基づいて特定港に港長が置かれています。これらの港は、港則法施行令別表第2で指定されています。港長は、海上保安庁長官によって海上保安官の中から任命され、通常は該当港を管轄する海上保安部長または海上保安署長が兼任します。

港長は、海上保安庁長官の指揮監督を受け、港則に関する法令に規定された事務を遂行します。具体的には、船舶の入出港の許可、港内における航行の安全確保、危険物取扱いの監督など、多岐にわたる業務を行います。

港長旗

港長が港内を巡視する際に、乗船する船艇のマストには港長旗が掲げられます。この旗は、白地に赤色の大きな「H」の字が描かれ、その中央には海上保安庁のコンパスマークが配置されています。

港長業務指定船

港長業務を円滑に進めるため、港長業務指定船制度が設けられています。この制度により指定された巡視船艇は、乗組員の訓練・研修を通じて港長業務に係る能力が強化されています。これらの指定船は、航行安全の指導や危険物荷役の安全指導を主な業務としており、CL級巡視艇や消防船艇が指定されています。

指定船の例

巡視艇
CL251 たまつばき（川崎）
CL244 はまゆう（鹿児島）
消防船
FL01 ひりゆう（横浜）

関連法令

港長の業務は、以下の法令に基づいて遂行されます。

港則法（昭和二十三年七月十五日法律第百七十四号）
港則法施行令（昭和四十年六月二十二日政令第二百十九号）
海上保安庁法（昭和二十三年四月二十七日法律第二十八号）

これらの法令は、港湾の安全と秩序を維持するための重要な基盤となっています。

関連情報

港湾: 船舶の停泊、貨物の積み卸し、旅客の乗降などを行う施設。
海上保安庁: 海上における安全確保、犯罪捜査、海洋環境の保全などを担う行政機関。
海上保安官: 海上保安庁に所属する職員。
港則法: 港湾における船舶の航行や停泊、危険物の取り扱いなどについて定めた法律。

外部リンク

佐世保港長 - ウェイバックマシン（2005年9月9日アーカイブ分）
敦賀港長
福井港長

参考資料

岡部学 ほか『海上保安庁パーフェクトガイド : 最新版』学習研究社、2005年6月。ISBN 978-4-05-603720-3。
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港則法施行規則
港則法施行令
* 海上保安庁法

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