湯川 (美ヶ原温泉)

湯川（ゆがわ）

長野県松本市を流れる湯川は、信濃[[川]]水系に属する一級河川です。松本市の東部を、薄川と並走するように西へと流れ、市街地の中心部、松本城の近くで女鳥羽[[川]]に合流します。その源流は里山辺川端に位置し、女鳥羽[[川]]との合流点までの全長は3.6キロメートルです。合流地点のすぐ下流には、長野県道67号松本和田線が通る桜橋が架かっています。

地理と流れ

湯川の上流には、美ヶ原温泉の温泉街が広がっています。この温泉地からの影響も、湯川の水質に影響を与えていると考えられます。湯川は松本市街地を流れる比較的短い川ですが、地域住民の生活と密接に関わっています。

水質の問題

湯川の水質は、過去の調査で課題が指摘されています。1973年の調査ではBOD（生物化学的酸素要求量）が平均5mg/Lと比較的高い値を示し、その後10年おきに行われた調査でも、改善が見られませんでした。この原因は、公共下水道の整備が遅れており、生活排水が直接湯川に流れ込んでいることにあると考えられています。水質汚濁は、生態系への影響も懸念されています。

生態系

湯川には、ドジョウやヨシノボリなどの魚類が生息しています。特筆すべきは、希少なメダカが生息している点です。松本市の中心市街地を流れる川でメダカが生息しているのは、湯川くらいと言われています。また、かつて水質改善のために放流された外来種のカダヤシも生息しており、現在見られるカダヤシは、その子孫だと考えられています。

カダヤシは、メダカを捕食するため、メダカ減少の原因ではないかと指摘されることもありましたが、水質汚濁こそがメダカ減少の根本的な原因であると考えられています。

まとめ

湯川は、松本市民にとって身近な川であり、その水環境は、地域社会の課題を映し出す鏡でもあります。水質改善のための取り組みと、貴重な生態系を守るための努力が求められています。

参考資料

松本市編集発行『松本市誌 第一巻 自然編』1996年
日外アソシエーツ編集発行『河川大事典』1991年

関連項目

女鳥羽[[川]]
美ヶ原温泉

外部リンク

* 長野県松本建設事務所作成 1級河川 湯川浸水想定区域図

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