湯木博恵

湯木博恵の生涯と功績

基本情報

湯木 博恵（ゆき ひろえ）は、日本の偉大なバドミントン選手として知られ、1948年11月15日に広島県安芸郡海田町で生まれました。彼女の本名は新沼 博江（にいぬま ひろえ）で、旧姓は湯木です。湯木は62歳で2011年9月7日に甲状腺癌のために亡くなりました。彼女は演歌歌手の新沼謙治と結婚しています。

バドミントン選手としてのキャリア

湯木は岡山県岡山市に移り住み、山陽女子高等学校に通っている際に、当時3年生の時に高校総体で初優勝を果たしました。その後、日本女子体育大学へ進学し、1969年には全英オープン選手権女子シングルスで優勝を果たします。この大会では彼女が合計で4回の優勝を達成し、1977年に創設された世界選手権が設立されるまで、事実上の世界選手権として位置付けられていました。彼女の功績を讃え、全英オープンの優勝プレートは彼女が永久に保持することが許可された。

さらに、1971年には高木紀子選手とのペアで全英オープンダブルスでも優勝。1972年のミュンヘンオリンピックではバドミントンが公開競技として行われ、彼女は3位に輝きました。加えて、世界女子団体選手権（ユーバー杯）では3度制覇、全日本総合バドミントン選手権大会でも6度優勝するなど、1960年代から70年代にかけて女子シングルスにおいて圧倒的な実力を誇ったことから「女王」と呼ばれました。1981年に現役を引退した後、彼女は日本女子体育大学のバドミントン部監督としても活躍しました。

記録と栄誉

湯木は2002年に日本人選手として初めて国際バドミントン連盟の殿堂入りを果たします。彼女の名前を冠した「湯木博恵杯争奪バドミントン大会」は、山口県下松市で毎年開催され、彼女の素晴らしい功績を今もなお後世に伝えています。

エピソードと人柄

彼女のバドミントンに対する情熱は、様々なエピソードでも伺えます。バドミントン女子複でバルセロナ五輪にも出場経験のある陣内貴美子は、子ども時代に湯木の練習を見学した際、驚くべきエピソードが残っています。湯木がゲーム練習中に2回、アウトとして見送ったシャトルが2回続けてインになり、3回目に同じミスをした際には、主審にコートの大きさの計測を依頼しました。結果、規定より5cm広いことが判明し、湯木の正確なコート把握能力に多くの人々が驚かされました。

また、彼女の1976年の全英選手権不出場には、日本バドミントン協会が下した「参加するな」という命令が関係していました。当時の国際的な台湾問題の影響で、日本はこの大会をボイコットせざるを得ませんでした。湯木は「そんなチャンスは二度と来ない」と悔しさを滲ませていました。

最期と遺族

湯木は2011年に永遠の旅立ちを迎え、葬儀は夫の新沼謙治が喪主を務めました。彼は故郷・大船渡市に「南無博江観音」を建立し、彼女への思いを込めています。湯木博恵の名は日本のバドミントン界に深く刻まれ続け、彼女の功績は後世に伝えられています。

もう一度検索