湯浅誠

湯浅 誠（ゆあさ まこと）

湯浅誠は、1969年4月23日生まれの日本の社会活動家及び政治学者であり、特定非営利活動法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」の理事長を務めています。反貧困ネットワークの事務局長や内閣府の参与を歴任し、法政大学の教授を経て、2019年からは東京大学で特任教授として教鞭を執っています。2008年には、日比谷公園で「年越し派遣村」の村長としての役割が注目されました。現在は埼玉県所沢市に住んでいます。

経歴

東京出身で、小平市立小平第二中学校、私立武蔵高等学校を経て、東京大学法学部に入学し、法学政治学研究科の博士課程に進みましたが、後に中退しました。学生時代にはボランティア活動に積極的に参加し、1995年に法学部を卒業しました。その後、彼は社会活動家としての道を進み、2000年には「フードバンク」を設立し、2002年には「自立生活サポートセンター・もやい」を設立しました。

「年越し派遣村」と民主党政権下での活動

2008年の年末には、生活困窮者の支援を目的として日比谷公園に「年越し派遣村」を開設し、村長として運営を行いました。2009年には内閣府参与に就任し、震災時には被災地でのボランティア活動を支援する役割も担いました。2011年の東日本大震災を受けた際には、内閣官房震災ボランティア連携室の長として、被災者への支援にも積極的に取り組みました。

こども食堂への関心

近年では、子どもたちの貧困問題にも注目し、2018年には「こども食堂安心・安全向上委員会」を発足させ、全国のこども食堂の数を調査。その結果、2286箇所を確認しました。2018年12月には「全国こども食堂支援センター・むすびえ」を設立し、理事長に就任。2019年には全国のこども食堂の数が3718箇所に増えたことを報告しています。2021年には、むすびえが認定NPO法人に認定されました。

理念と主張

湯浅は日本における貧困問題について、「五重の排除」という概念を提唱しています。具体的には、教育課程からの排除、企業福祉からの排除、家族福祉からの排除、公的福祉からの排除、そして自分自身からの排除の5つの側面があり、貧困問題を深く理解するためにはこれらの要素が重要であるとしています。また、自己責任論の問題も指摘しており、この論に基づく社会的圧力が個々の問題を深刻化させると主張しています。

湯浅の著作は多岐にわたり、生活保護や貧困問題についての実践的なマニュアルや評論などが含まれています。その中でも、「貧困襲来」や「反貧困」などの著作は、広く読まれ、議論を呼ぶ内容となっています。

まとめ

湯浅誠は、貧困問題に真剣に向き合い、様々な社会活動を通じて、その解決に向けた取り組みを行っています。彼の活動は、単に一個人の努力の域を超え、社会全体への呼びかけと変革を促すものとなっています。

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