源庶明

源 庶明（みなもと の もろあきら）

源庶明は平安時代前期から中期にかけて活躍した公卿であり、歌人としても知られます。宇多天皇の孫で、兵部卿である斉世親王の三男として生まれました。彼の経歴は華やかであり、その公職での功績や歌人としての表現力が際立っています。

経歴の詳細

源庶明は延長2年（924年）に従四位下に直叙され、これは二世王待遇の蔭位によるものでした。翌年には侍従に任官し、その後も昇進を続けます。延長7年（929年）には左京大夫に転任し、承平3年（933年）には右兵衛督に就任します。これに続き、承平6年（936年）には従四位上に叙任され、天慶4年（941年）には参議に昇進し公卿に列することとなります。この間に左京大夫や左兵衛督など、複数の官職を兼任し、天慶8年（945年）には正四位下に昇爵されています。

村上朝においても、天暦元年（947年）には左大弁に任命され、天暦5年（951年）には従三位・権中納言に昇進しました。さらに、天暦7年（953年）では中納言に叙任され、最終的に従三位の中納言としてその生涯を終えました。彼は天暦9年（955年）5月20日に薨去し、享年53歳でした。

文人としての側面

彼は文才にも恵まれており、天慶2年（939年）には、弟である英明が延暦寺に提出した『慈覚大師伝』の跋文を書いています。このように、彼の文化的な貢献は多岐にわたります。また、勅撰歌人として名を馳せており、『後撰和歌集』には彼の和歌作品が4首収められています。

家族・系譜

源庶明の父は斉世親王、母は橘公廉の娘であり、彼は優れた出自を持つ人物でした。プライベートに関しては、妻の名前は不詳ですが、女子には源計子があり、彼女は後の村上天皇の更衣となりました。

彼を取り巻く環境

広幡邸を彼の住まいとし、「広幡中納言」の称号を持っていました。このように、源庶明は公の場だけでなく、個人の生活においても文化的な影響を与えた存在であったのです。

最後に

源庶明は平安時代の重要な公卿・歌人であり、彼の業績はその時代の文化的な発展にも寄与しました。その経歴や作品は、今なお多くの人々に親しまれています。

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