源氏物語 千年の謎

映画『源氏物語 千年の謎』解説

『源氏物語 千年の謎』は、2011年12月10日に公開された日本の時代劇映画です。本作は、紫式部が書いたとされる『源氏物語』を題材にしながらも、その背景にある紫式部自身の人生と、物語の世界が交錯するというユニークな構成が特徴です。

あらすじ

舞台は平安時代。権力を握る藤原道長は、娘の彰子に皇子を産ませることで更なる権勢を確立しようと企んでいました。そのために、道長は紫式部に帝を魅了する物語を書かせることを画策します。道長の命により、紫式部は『源氏物語』を執筆し始めます。物語は、光源氏が数多の女性と恋を繰り広げる一方で、六条御息所の生霊が嫉妬に狂う姿を描きます。紫式部の書く物語は帝や宮中の人々を魅了していきますが、同時に、彼女の心の中には道長への秘めたる想いが渦巻いていました。

物語は、紫式部自身の物語と、『源氏物語』の世界が交互に展開していきます。陰陽師の安倍晴明は、紫式部の中に潜む「修羅の心」を案じながらも、道長は紫式部に物語を書き続けさせます。物語の中で、六条御息所は光源氏への愛を狂おしく語りますが、晴明はその姿に、道長に対する紫式部の愛を見出します。物語の結末で、六条御息所は伊勢へと去り、現実の世界でも紫式部が都を離れることになります。紫式部は、自らが鬼となる前に都を離れることで、道長を救ったと語ります。そして、道長の化身である光源氏は、紫式部が道長を想い続ける限り、物語の中で永遠に苦しい愛の日々を生き続けるという結末を迎えます。

作品の特徴

本作は、『源氏物語』の物語をベースに、紫式部と藤原道長の愛憎劇、そして紫式部自身の葛藤を描いています。物語と現実が複雑に交錯する構成は、観る者を魅了します。また、平安時代の豪華絢爛な映像美も、見どころの一つです。

キャスト

光源氏：生田斗真
紫式部：中谷美紀
藤原道長：東山紀之
安倍晴明：窪塚洋介
藤壺中宮/桐壺更衣：真木よう子
葵の上：多部未華子
六条御息所：田中麗奈
彰子：蓮佛美沙子
夕顔：芦名星

その他、豪華キャストが多数出演しています。

スタッフ

監督：鶴橋康夫
脚本：川崎いづみ、高山由紀子
音楽：住友紀人

制作

角川映画、TBSテレビ、東宝などが共同で製作しました。

『源氏物語 千年の謎』は、単なる時代劇にとどまらず、愛と嫉妬、そして人間の業を描いた、見ごたえのある作品です。平安時代の華やかな世界観とともに、登場人物たちの複雑な感情が織りなす物語を、ぜひお楽しみください。

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