源満季

源満季（みなもと の みつすえ）

源満季は、平安時代中期に活躍した武将です。清和源氏の祖である源経基の三男として生まれました。兄である源満仲、源満政と同様に、武勇をもって朝廷や上級貴族に仕え、「武勇輩」として知られています。

生涯

安和2年（969年）に発生した安和の変において、満季は兄・満仲の政敵であった藤原千晴・久頼父子を検非違使として捕縛し、投獄するという功績を挙げました。この事件では、左大臣であった源高明が失脚しましたが、満仲兄弟は高明の一派でありながら、これを裏切り密告したという噂も存在します。

天禄2年（972年）には五位に叙爵され、検非違使に任官しました。天禄3年（973年）には右衛門少尉に任命されています。数々の役職を歴任し、莫大な富を得た満仲は、他の武士からの嫉妬を受けていたようで、天延元年（973年）には武装した集団に邸宅を襲撃され、放火されるという事件も起きています。同年、満仲邸放火事件の嫌疑者を満季が捕らえました。

『御堂関白記』寛弘2年（1005年）7月6日条にある甥の源頼光の発言から、満季は左京北辺に邸宅を所有していたことがわかります。また、同記事には「故満季」とあり、この時期には既に亡くなっていたことが推察されます。

子孫

清和源氏満季流の子孫は、近江国を拠点として、越前国や三河国など各地へ国司として進出し、土着して武士団として発展していきました。鎌倉幕府や室町幕府に対して、常に一定の距離を置いていたことが、この家系の特徴です。また、満季流は、殆どこの一族だけに限られています。

満季の子孫からは、美濃多田氏、高屋氏、小椋氏、平井氏、久田氏、林田氏、栗原氏、岡見氏といった氏族が輩出されました。これらの氏族は、各地で勢力を拡大し、歴史に名を残しています。

系図

源経基（清和源氏祖）
満季（経基三男）
致公
満頼（満季実子・祖父経基に養子入り・美濃多田氏説）
致任
定俊
憲尊
成貞
成實
為経（高屋三郎）
季信
忠政
忠尊
兼源
尊知
為貞（二郎）
光頼
忠満
高行
為房（三郎）
実遠（次郎）
行房
小原氏
高屋定遠（四郎）
小椋氏
重綱

庶家

源満頼（祖父経基へ養子入り・末裔美濃多田氏との説）
美濃多田氏
高屋氏（近江国高屋荘発祥）
小椋氏（近江国愛知郡小椋庄発祥）
平井氏（近江国愛知郡平井荘発祥）
久田氏（御園氏流岸下氏末裔・近江国蒲生郡久田村発祥）
林田氏（御園氏流・播磨国揖保郡林田郷発祥）
栗原氏
* 岡見氏

源満季は、平安時代中期の武将として、また清和源氏の一流の祖として、日本の歴史に大きな足跡を残しました。

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