準公式試合

準公式試合についての詳細

準公式試合は、日本ボクシングコミッション（JBC）が規定した、ボクシングの特別な試合形式です。この試合形式は、一般の公式試合とエキシビション試合の間に位置しプロボクシング協会（JPBA）に加盟するジムの練習生を対象としています。そして、選手の戦績がJBCのボクサーライセンス取得の際に参考にされることがあります。これまで「プロトライアルマッチ」や「1stBOX」といった名称で行われてきました。

準公式試合の目的と特徴

JBCは準公式試合を設けることによって、ボクシング界における選手層の薄さや機会の不足を解消しようとしています。特に日本の女子プロボクシングは、2008年から始まっても選手の層が薄く、ランキングが作成できないといった問題がありました。このため、JBCは練習生に試合の機会を提供し、プロ選手へと成長するためのステップとすることを目的としています。

プロトライアルマッチ

この形式の試合は、2010年9月24日に後楽園ホールで行われた大会で試験的に導入されました。プロライセンスをまだ持たない練習生やC級ライセンスを所有しているものの、試合機会が限られている選手なども参加可能です。2011年には正式に採用が決まり、女子練習生に門戸が開かれました。試合はヘッドギアを着用し、ラウンドが3ラウンド、各ラウンドは2分です。

ここでの重要なポイントは、試合に勝ったり引き分けたりするとポイントが付き、そのポイントを元にプロライセンスを得ることができる点です。ただし、現在のポイント基準はまだ公表されていません。

1stBOX

JPBA主催の「1stBOX」は、2016年に導入されました。『「観る」から「始める」ボクシング』をテーマに、多くの男女ボクサーが参加できる準公式試合として、様々な階級を設けています。試合のルールも複数用意されており、選手たちは年齢制限なく挑戦することができます。ただし、この試合は新型コロナウイルスの影響で2020年以降中断されている状況です。

ジュニアチャンピオンズリーグ

若年層を対象としたジュニアチャンピオンズリーグもJBCの準公式試合として行われており、未来のプロボクサーを育成するための重要な機会となっています。

トランス男子ルール

さらに、トランスジェンダー男子ボクサーに関しても、JBCの定める特別な検査をクリアした者には特別ライセンスが与えられ、準公式試合に参加することが認められています。2023年には、このルールに基づく初めての準公式試合がエディオンアリーナ大阪で行われました。

主な参加者

これまでに準公式試合を経験した選手には、プロトライアルマッチに参加した角田紀子（つのだのりこ）や、1stBOXに参加した佐々木尽や谷口彪賀といった選手が挙げられます。これらの試合形式は、ボクサーたちにとって貴重な実戦経験を積むための場となっています。

このように、準公式試合はボクサーが成長するための重要なステージであり、選手たちのスキル向上やプロ入りへの道をサポートしています。今後もこの試合形式が日本のボクシング界において更なる発展を遂げていくことが期待されます。

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