滋賀刑務所

滋賀刑務所の歴史と現状：老朽化と受刑者減少が閉鎖の背景に

滋賀刑務所は、かつて法務省矯正局大阪矯正管区に属していた刑務所です。2022年3月31日をもって閉鎖され、その歴史に幕を閉じました。

滋賀刑務所の概要

滋賀県大津市に位置し、敷地面積は6万3,000平方メートルに及ぶ広大な敷地を有していました。JR琵琶湖線石山駅から京阪バスを利用し、「石山団地口バス停」で下車後、徒歩約5分の場所にありました。

収容定員は615名で、YA級とA級の受刑者を収容していました。A級は刑期10年未満で犯罪傾向が進んでいない男性受刑者です。2018年度の調査では、知的障害や発達障害を持つ受刑者に関する統計データが不足しており、入所時の調査が不十分であった可能性が示唆されています。また、日本語に不自由な外国籍受刑者は、大阪刑務所や京都刑務所に収容されていました。

拘置区画には女性被収容者も収容されており、女性の刑務官も配置されていました。閉鎖に伴い、この拘置区画は京都刑務所の下部機関である滋賀拘置支所となりました。

滋賀刑務所の歴史

滋賀刑務所の歴史は古く、1876年（明治9年）に仮懲役場として設置されました。1922年（大正11年）に「滋賀刑務所」として正式に運用開始。現在の場所に移転したのは1966年（昭和41年）です。それ以前は、大津市丸の内町、膳所城址の堀の中に位置していました。当時の敷地には庁舎、獄舎の他に、30棟もの官舎や集会場である武徳殿も存在していました。現在、膳所城址跡地は本丸公園として整備されています。

近年、受刑者数の減少や建物の老朽化が深刻な問題となり、法務省は2022年3月の閉鎖を決定。その機能は京都刑務所などに統合されました。アムネスティ・インターナショナルの報告によれば、外観は整然としていましたが、バリアフリー化はほとんど進んでおらず、天井の配管がむき出しになっている箇所や、廊下の狭さなどが問題視されていました。

閉鎖後の跡地利用

閉鎖後の跡地については、一部が未決囚を収容する新しい拘置支所として活用される予定ですが、残りの土地については、現時点では具体的な用途が決定していません。今後の跡地利用計画に注目が集まっています。

滋賀刑務所の組織

滋賀刑務所の組織は、所長を頂点に、総務部（庶務課、会計課、用度課）、処遇部（処遇担当、企画担当）、医務課からなる二部一課制でした。

まとめ

滋賀刑務所の閉鎖は、日本の刑務所の現状を反映する出来事でした。老朽化や受刑者数の減少といった課題に対し、法務省は施設の統合・再編を進めています。滋賀刑務所の跡地利用についても、社会のニーズに応じた適切な活用が求められています。

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