滋賀県立短期大学

滋賀県立短期大学（県短）について

滋賀県立短期大学は、1950年に滋賀県によって設置された公立短期大学です。略称は「県短」として親しまれていました。最盛期には11学科を擁し、家政、工業、看護、農業、幼児教育など、幅広い分野での教育を提供していました。特に10学科体制の頃は、全国の公立短期大学の中でも最大規模の学科数を誇っていました。

しかし、社会情勢の変化や高等教育機関の再編の流れを受け、2003年度に滋賀県立大学へ全面改組されることとなりました。これに伴い、短期大学としての学生募集は2002年度で終了し、2005年4月26日をもって正式に廃止されました。

沿革

滋賀県立短期大学の歴史は、戦後の学制改革期にまで遡ります。

1944年：官立彦根工業専門学校と滋賀県立彦根高等女学校専攻科が設置
1947年：彦根工業専門学校が滋賀県に移管、滋賀県立彦根工業専門学校に。彦根高等女学校専攻科は滋賀県立女子専門学校に改組
1950年：滋賀県立短期大学が開学。学芸科と工業科を設置
1951年：工業科を化学染織科、機械紡績科、建築科に改組。家政科を増設
1956年：滋賀県立農業短期大学を編入し、3年制の農業科を設置
1957年：機械紡績科、建築科、化学染色科を増設。農業科を2年制に変更
1958年：農業経済科、保育科を増設
1963年：機械紡績科を機械科、化学染色科を工業化学科に名称変更
1965年：食物科を増設
1968年：家政科を専攻分離（家政専攻、被服専攻）
1970年：各学科の名称変更（機械科→機械工学科、建築科→建築学科、家政科→家政学科、食物科→食物学科、保育科→幼児教育学科、農業科→農学科、農業土木科→農業土木学科、農業経済科→農業経済科）
1972年：看護学科を増設
1988年：第一看護学科を新設。従来の看護学科を第二看護学科とする（第二看護学科は1989年度より学生募集停止）
1990年：第二看護学科を廃止
1996年：看護学科を除く9学科を廃止
2002年：短期大学として最後の学生募集
2005年：正式に廃止

キャンパス

滋賀県立短期大学には、彦根と草津の2つのキャンパスがありました。

彦根キャンパス：家政部（文科、家政学科、食物学科、幼児教育学科）、工業部（機械工学科、建築学科、工業化学科）、看護部（第一看護学科、第二看護学科）が設置されていました。
草津キャンパス：農業部（農学科、農業土木学科、農業経済学科）が設置されていました。

教育と研究

滋賀県立短期大学は、学科ごとに専門的な知識や技術を習得するための教育課程を提供していました。また、地域社会のニーズに応える人材育成にも力を入れていました。

教職課程：幼稚園教諭二種免許状（幼児教育学科）、中学校教諭二種免許状（家庭、保健、英語、国語、職業）
資格：栄養士（食物学科）、測量士補（農業土木学科）
受験資格：看護師（看護学科）、建築士（建築学科）

学生生活

滋賀県立短期大学では、学生たちが充実した学生生活を送れるよう、様々な支援が行われていました。

部活動・クラブ活動：体育系（バスケットボール、バレーボール、テニスなど）、文化系（茶道、華道、写真など）
学園祭：毎年11月頃に開催され、学生たちの活気にあふれていました。

卒業後の進路

卒業生たちは、それぞれの専門分野で社会に貢献していました。

就職：製造業、サービス業、病院、建設業、農業、林業、漁業、保育園など
進学：金沢大学養護教諭特別別科、滋賀医科大学、兵庫県立看護大学など

滋賀県立大学との関係

滋賀県立短期大学は、滋賀県立大学への改組に伴い、その役割を終えました。しかし、県短の教育理念や地域貢献の精神は、滋賀県立大学に引き継がれ、新たな形で発展を続けています。

現在、滋賀県立大学は、県内唯一の県立総合大学として、地域社会の発展に貢献する人材育成や研究活動を積極的に展開しています。

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