滑り台 (避難器具)

滑り台について

滑り台は、防火対象物の窓やバルコニーから地上へと降りるための構造物で、鋼板などで作られています。主に病院や幼稚園など、利用者が多い場所に設置されているため、迅速かつ安全に避難できることが大きな特長です。また、短時間で多くの人々が避難することができるため、緊急時における確実な避難手段として重宝されています。

滑り台の種類

滑り台にはいくつかの形状があります。直線的なものから、らせん状や曲線状のものまで多様です。これらの設計は、設置される位置や利用する人々のニーズに応じて選ばれます。特に、建物に確実に固定されているため、安全性も高く、2階から10階までの様々な階数にわたって利用することが可能です。ただし、最上階から地上へ一気に滑り降りるタイプではなく、途中階からの避難者とも衝突しないよう配慮されています。避難する人たちは順番を守りながら滑り降りることが求められます。

設置方法

滑り台は、堅牢に固定されることが重要です。ボルト締め、埋め込み、溶接などの方法でしっかりと設置されることで、安全性が確保されます。基本的には底板、側板、手すりで構成され、以下のような基準が設けられています。

• - 底板の勾配：25～35度
• - 底板の有効幅：40cm以上
• - 側板の高さ：40cm以上
• - 手すりの高さ：60cm以上

さらに、降下空間については、滑り台の幅の外側に20cm以上、滑り面から上方には1m以上の空間が必要です。避難空地は滑り台の中心から外側にそれぞれ50cm以上、減速面の端からは1.5m以上の距離を確保する必要があります。これにより、避難する人々が安全に滑り降りられる環境が整えられています。

衝撃緩和と安全対策

滑り降りた際の衝撃による怪我を防ぐため、着地部分には砂などの緩衝材が設けられていることがあります。このように、急速な滑降による下半身の負傷を防ぐための措置が取られています。さらに、建物周辺では不正侵入や誤って滑り落ちることを防ぐために、防犯用のチェーンや赤外線センサーが設置されることもあります。

関連項目

滑り台に関連する構造物や設備には、他に「滑り棒」「避難はしご」「避難ロープ」「避難橋」「救助袋」などがあります。これらは、特に緊急時における安全な避難をサポートするためのアイテムです。

参考文献

• - 大脇賢次『図解 早わかり消防法』ナツメ社、2008年。ISBN 978-4-8163-4593-7

滑り台は、高層建物においての避難手段として非常に重要な役割を果たしています。安全で迅速な避難を実現するため、今後もその設計や設置方法が見直され、進化していくことが期待されます。

もう一度検索