滝ノ上温泉

滝ノ上温泉

滝ノ上温泉（たきのうえ／たきのかみおんせん）は、岩手県岩手郡雫石町西根に位置する温泉地です。豊かな自然に囲まれた葛根田渓谷沿いに湧き出る温泉は、訪れる人々に癒しと安らぎを与えます。

泉質

滝ノ上温泉は、源泉によって泉質が異なります。

瀧上温泉（滝峡荘）: 含硫化水素酸性放射能泉、泉温56℃、pH3.0
第二鳥越湯（滝観荘）: 単純硫黄泉、泉温74℃、pH5.6

温泉街の状況

2010年代には一時、全ての宿泊施設が休業となりましたが、2019年に滝観荘（りゅうかんそう）がゲストハウスとして再開しました。その後、2022年（令和4年）には同一経営者により対岸の滝峡荘（りゅうきょうそう）がリニューアルオープンし、宿泊は滝観荘のみとなっていましたが、2023年（令和5年）夏からは2つの宿泊施設として営業を再開し、以前の賑わいを取り戻しつつあります。

滝ノ上温泉の上流には、葛根田地熱発電所があり、地熱エネルギーが活用されています。

歴史

滝ノ上温泉の発見年代は不明ですが、1683年（天和3年）に葛根田川上流の北白沢入り口で赤土の採鉱願いが出されていることや、滝ノ上温泉の奥地に「金堀」と呼ばれる金山の開発跡があることから、天和の頃には一部の人々に知られていたと考えられます。しかし、険峻な奥地の谷間に位置するため、当時は開発が見送られたようです。

2008年4月20日には、県道で土砂崩れが発生し通行止めとなり、旅館が一時営業を休止しましたが、同年6月下旬には営業を再開しています。

「滝ノ上」の読み方には「たきのうえ」と「たきのかみ」の両方が存在し混在していますが、近年では「たきのうえ」を用いる傾向が強まっています。

由来

滝ノ上温泉付近一帯は地熱地帯であり、葛根田渓谷のいたるところで温泉が自噴し、湯けむりが立ち上っています。湧出量も豊富で、温泉が川となって流れ落ちる「鳥越の滝（古くは鳥声の滝）」と呼ばれる滝があります。この滝の上にあることから、本来は「たきのうえ」温泉と呼ばれていました。この滝から上流の白沢にかけては山中温泉が多く、山の形や湯の湧き具合は「剣の如く、塩の如く、油の如く種々ありて、山中の形、田名辺ウソリ山（恐山）の如し」と形容されていました。

外部リンク

滝峡荘
滝観荘 - ウェイバックマシン（2007年8月20日アーカイブ分）

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