滝尾橋

大分県大分市の大分川に架かる滝尾は、大分県道21号大分臼杵線に属し、市街地と明野団地、猪野、葛木、横尾地区といった東側の地域を繋ぐ重要な役割を担っています。

このの歴史は古く、現在のの場所にはかつて「坊ヶ小路の渡し」と呼ばれる渡し船場がありました。上流の古国府には明治時代に広瀬が架されましたが、坊ヶ小路の渡しはその後も長く渡し船が利用されていました。大正時代初期、ようやく木造の滝尾が架けられ、昭和5年頃にはコンクリート造へと架け替えられました。

昭和28年、西日本水害が発生し、滝尾の下流にある舞鶴が流失。津留地区が孤立するという事態に見舞われました。この災害時において、滝尾は地域の生命線として機能しました。大分川の支流である裏川に、緊急的に木造の仮設「下津仮」が架設され、滝尾を経由することで大分市街地との交通が復旧されたのです。この出来事は、滝尾が単なる交通手段ではなく、地域社会の維持に不可欠なインフラであることを改めて示しました。

現在の滝尾は、昭和38年に完成しました。長きに渡り、幾多の改修を経て現在の姿に至るまで、人々の生活を支え、地域社会の発展に貢献してきたと言えるでしょう。

滝尾の歴史を振り返ることは、大分川の治水の歴史、そして大分市の発展の歴史を理解する上で非常に重要です。渡し船から木造、そして現在のコンクリートへと変化を遂げてきた滝尾は、時代と共に進化し、地域住民の生活に寄り添い続けてきました。また、昭和28年の水害における仮設の架設は、災害時の迅速な対応と地域住民の生命と生活を守るための努力の証左と言えるでしょう。

さらに、滝尾周辺の地域開発の歴史も考慮すると、このが単なる交通インフラ以上の意味を持つことが分かります。明野団地などの発展は、滝尾の存在なくしては実現しなかった可能性が高く、は地域の社会経済構造を支える重要な要素となっていると言えるでしょう。

このように、滝尾は単なる梁としてだけでなく、地域の生活、歴史、そして災害に対する対応など、多角的な視点から考察する必要がある重要な存在です。今後も、地域の交通を支え、人々の暮らしを見守っていく、大分市にとって欠かせないインフラとして機能し続けることでしょう。

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