漂白 (写真現像)

漂白とは

漂白（ひょうはく）は、写真や映画における現像過程の一部で、映画フィルムや印画紙に施された感光材料に対し、定義された特定のプロセスを通じて行われます。白黒写真においてはリバーサル現像やカラー写真のネガ・リバーサル現像には関与しますが、白黒ネガの現像には不要な手順です。コダックでは、漂白作業を画像を構成する金属銀をハロゲン化銀に戻すことと定義しています。

現像工程の概要

写真の現像は二つのステップに分けられ、最初のステップを「現像」（英語: developing）、現像が完了して定着し乾燥するまでの全過程を「現像プロセス」（英語: processing）と呼びます。漂白の過程で使用される薬品は「漂白液」として知られ、フィルムをその液体に浸す作業を「漂白」または「漂白浴（ひょうはくよく）」と称します。

現像を施されたフィルムの表面には、黒いネガ画像を形成する金属銀が含まれています。このネガ画像を漂白処理によりハロゲン化銀へと反転させ、その後定着処理によって銀塩を洗浄します。わずかに溶解された銀は現像直後の水洗促進浴や漂白後の定着浴で段階的に除去されます。

白黒写真のリバーサル現像プロセスでは、通常、二クロム酸カドミウムなどの重金属塩と硫酸を含んだ漂白液が使用されますが、これらは有毒で皮膚に悪影響を及ぼすため、使用時には慎重な取り扱いが求められます。

カラーフィルムにおける漂白工程は、第一現像のあとに発色現像を行い、カラー画像を形成してから漂白浴、そして定着浴へ進むという流れを含みます。漂白中に、鉄イオンが還元されることもありますが、通気が十分であれば再び元の状態に戻り、逆に漂白過程をスムーズに進行させます。もし通気不足や漂白不良があれば、銀が残存する可能性やカラーフィルムに発色のトラブルが生じたりします。

漂白のスキップと銀残し

漂白作業を意図的に省略することも可能で、これを「スキップ・ブリーチ」と呼ぶことがあります。これによりカラーフィルム内に銀が残存し、特有の効果をもたらすことから「銀残し」と称されます。

写真好き向けに、C-41現像やE-6現像に必要な現像化学薬品がキットとして販売されている場合、漂白と定着を同時に行える製品も多く存在しています。

コダックの漂白液

コダックは特に白黒リバーサルフィルム用の漂白液「ブリーチR-10」の処方を公表していますが、業務用以外では日本での入手は難しい状態です。

主な漂白液の種類

• - コダック B&W リバーサルブリーチ R-10: 白黒リバーサルフィルム用の漂白液
• - コダック フレクシカラー RA ブリーチリプレニシャー NR: カラーネガフィルム用の漂白補充液
• - コダック ブリーチフィクサー RA: RA-4現像に使用する漂白定着液
• - エヌ・エヌ・シー BF-A / BF-B: C-41現像用の漂白定着剤
• - テテナール 漂白定着液: E-6現像用の漂白定着液

漂白は写真現像の制作過程において、発光現象の重要な部分を担う非常に専門的な工程であり、必ず正確に実施される必要があります。

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