漆間巌

漆間 巌のプロフィール

漆間巌（うるま いわお）は1945年4月19日に生まれた日本の警察官僚であり、警察庁長官や内閣官房副長官を務めた経歴を有する。「第二の後藤田」として知られており、その業績は高く評価されている。彼は旭日大綬章を受勲していることからも、その功績が認められていることが分かる。

学歴と初期のキャリア

漆間は東京で育ち、本籍は大分県に所在している。兄も警察官僚であり、同じ道を歩んでいる。都立日比谷高校を経て東京大学法学部を卒業後、1969年に警察庁に入庁した。入庁同期には後に著名な役職に就く者たちもおり、彼自身も最初の十年間は刑事畑でのキャリアを積んでいく。

1980年から1983年にかけて外務省に出向し、ソ連の日本大使館で一等書記官を歴任した。この経験から、漆間は国際的な視野を持ち、その後の警備や公安関連の職務に役立てた。彼は奈良県警察本部長や愛知県警察本部長、大阪府警察本部長などを歴任し、最終的には2004年に警察庁長官に就任した。

警察庁長官としての活動

警察庁長官としての任期は、特に北朝鮮による日本人拉致問題への取り組みが注目された。長期にわたる在任期間は、その難題への真摯な対応によるものとされ、事件の背後にある複雑な国際情勢への理解を示している。彼の在任中には、警察内部で発覚した不正経理問題に対しても厳しい姿勢で臨み、その結果、行政処分や刑事処分の必要性を訴えた。

一方で、県警からの予算執行の停止に対して批判的な発言もあり、漆間の声は警察活動の現場における大変さを反映させている。しかし、彼自身も裏金問題に関与していたとの疑念がかけられ、その影響が今後のキャリアにどう出るかが注目された。

内閣官房副長官としての役割

退官後は、財団法人交通事故総合分析センターの理事長を務めるが、2008年には麻生内閣により内閣官房副長官に起用される。警察庁出身の副長官は32年ぶりであり、彼の経験が内阁のインテリジェンス機能にどのように寄与するか、また北朝鮮問題に関する専門家としての彼の価値が期待された。

公務員制度改革への立場

公務員制度改革に対する漆間の姿勢は消極的で、特に天下りの問題に強く反対しているとされる。「天下りしてどこが悪い」という発言があったとされ、反発を招いた。これにより彼の政治的な立場や改革への貢献度が問われることになった。

西松建設事件の発言

漆間は2009年に西松建設事件に関する発言が取り沙汰され、検察の捜査に対する見解を述べた。この発言は、特定の政党を名指しするような形で報じられ、政府高官としての立場において問題視されることとなった。彼自身はこの発言が誤解されたと説明し、特定の意図はなかったと釈明した。

脚注と関連項目

漆間巌の経歴は波乱に富んでおり、彼の関与した事件や問題は今もなお議論を呼んでいる。彼の人生とキャリアは、日本の警察制度や政治の歴史において重要な位置を占めている。

もう一度検索