演劇・映画

演劇・映画

『演劇・映画』（えんげき・えいが）は、かつて存在した日本の月刊誌であり、映画や演劇に関する情報を幅広く提供していました。この雑誌は1925年1月1日に創刊され、編集はプラトン社により行われました。

設立背景

この雑誌は、化粧品会社・中山太陽堂が経営するプラトン社によって発行されました。プラトン社は、すでに1922年に雑誌『女性』、1923年には『苦楽』を創刊しており、雑誌制作に豊富な経験を持っていました。特に、プラトン社は菊池寛の『文藝春秋』と『苦楽』の協力のもと、「ドラマリーグ」というプロジェクトを立ち上げ、映画と演劇の専門雑誌を作り出すこととなったのです。

編集者としては、川口松太郎が執筆陣を統括し、さらには小山内薫や文藝春秋社の菊池寛、そして江戸川乱歩といった著名な作家たちが寄稿しました。これらの作家たちの存在が、雑誌の内容を豊かにし、読者にとって魅力的な情報源となることを意図していました。

創刊と発行の歴史

創刊号は1925年の1月に登場し、それ以降、毎月発行されました。内容は主に映画や演劇に関する批評や特集記事が中心で、特に江戸川乱歩が書いた「半七劇素人評」などが話題となりました。しかし、競合する出版社として東京の大日本雄辯會講談社が新雑誌『キング』を創刊し、急速に人気を集める中で、厳しい競争が展開されていきました。『キング』は瞬時に50万部を発行し、そのゼロからの成功に直面する形で、『演劇・映画』は創刊から数年間の内に刊行を続けましたが、1926年の7月には第8号を発行した後、休刊を余儀なくされました。

全体の評価と後の復刻

本誌は全8号の刊行という短い歴史を持つものの、演劇や映画に特化した情報を提供し、多くの読者にとって貴重なリソースであったことは間違いありません。特に、当時の芸術や文化の発展とともに、当該分野のプロフェッショナルたちの意見を聞ける場となりました。その後、この雑誌は復刻されることもあり、後世にその存在が再評価されることとなります。

ビブリオグラフィ

• - 大正15年1月1日号（1925年12月発売） - 創刊号
• - 大正15年2月1日号（1926年1月発売）
• - 大正15年3月1日号（1926年2月発売） - 江戸川乱歩「半七劇素人評」掲載
• - 大正15年4月1日号（1926年3月発売）
• - 大正15年5月1日号（1926年4月発売）
• - 大正15年6月1日号（1926年5月発売）
• - 大正15年7月1日号（1926年6月発売）
• - 大正15年8月1日号（1926年7月発売） - 廃刊号

このように、『演劇・映画』は日本の雑誌文化の中で独自の立ち位置を占め、演劇と映画に関する貴重な情報源としての役割を果たしました。

もう一度検索