演劇集団イヌッコロ

演劇集団イヌッコロ（えんげきしゅうだんイヌッコロ）

日本の演劇集団。2009年末にその活動を正式に開始し、約15年間にわたって独自のコメディ作品を中心に観客に笑いを届けてきました。2024年9月に行われた公演をもって、惜しまれつつ活動に区切りをつけました。

設立の経緯と劇団の理念

演劇集団イヌッコロは、役者仲間が集まって結成された草野球チーム「ハトス」を母体として誕生するという、ユニークな経緯を持つ劇団です。一般的な劇団設立のプロセスとは異なる「逆輸入的」とも称される成り立ちが、その後の自由な活動の礎となりました。彼らが掲げた劇団の目標はただ一つ、「お客様に声を出して笑ってもらう！」こと。この明確な理念のもと、観客を笑いの渦に巻き込むことを最優先にした作品づくりを一貫して pursuit しました。

脚本・演出体制

劇団の作品を支えた柱の一つが、佐野瑞樹氏が当初は「羽仁修」というペンネームで手掛けた脚本と演出です。ほぼ全ての公演において、羽仁修（佐野瑞樹）氏が脚本を担当し、その世界観を確立しました。また、多くの作品で自ら演出も兼任し、劇団独自のコメディスタイルを築き上げました。

ただし、一部の公演では、モリノリ久氏が第6回公演『冒険者たちのホテル』やShowcase ver.2『恋するアンチヒーロー』の演出を手掛けたほか、佐野大樹氏がshowcase ver.4『トラベルモード』やイヌッコロVSシザーブリッツ デュエル公演『ご町内デュエル』を担当するなど、外部の演出家や劇団外の人物との協業も行われました。特に、佐野瑞樹氏が自身の本名義で演出を手掛けた第14回本公演『いさめ！池田屋シアター』や第15回本公演『かげきなデイリープレイス』は、その名義変更も注目を集めました。

多様な活動とコラボレーション

演劇集団イヌッコロは、自らの本公演を行う一方で、他の劇団や演劇ユニットとの積極的なコラボレーションも展開しました。シザーブリッツ、トライフル、ラ・セッテ、そして佐野瑞樹氏の実弟である佐野大樹氏とのユニットWBBなど、様々な団体との合同公演や企画に参加することで、活動の幅を広げ、多くの演劇ファンにその存在を知らしめました。こうした交流は、劇団に新たな視点や刺激をもたらし、作品の多様性にも繋がりました。

劇団を支えた俳優たち

劇団の活動を支えた主な俳優には、モリノリ久、長谷川哲朗、植木誠、牧田雄一、こいづか登、小野友広、そして佐野瑞樹氏らが名を連ねています。彼らは、劇団の理念である「笑い」を追求する作品において、中心的な役割を果たし、観客との間に温かい交流を生み出しました。

活動休止

2009年12月30日のホームページ開設から正式にスタートした劇団の歩みは、2024年9月に行われた公演をもって一つの区切りを迎えました。この公演は、約5年ぶりとなる本公演であり、同時に劇団の活動休止を告知するものでした。約15年間にわたる精力的な活動期間中、彼らは一貫して「お客様を笑わせる」ことに情熱を注ぎ、多くの人々に楽しい時間を提供しました。活動は休止となりますが、彼らが演劇界に残した笑いの足跡は、多くの人々の記憶に残ることでしょう。

もう一度検索