演習弾

演習弾（Training Projectile, TP）

演習弾は、訓練目的で使用される弾薬の一種であり、砲弾、ロケット弾、誘導弾などの形式があります。これらは実弾と同じ構造や射撃手順を持ちながら、より安全で経済的に利用されます。演習弾は、通常の実弾に比べて爆発の危険性が少ないため、訓練時に活用されるのが特徴です。例えば、演習弾は基本的に実弾と同じ質量を持ち、発射される際の運動エネルギーは高いため、直撃すると相応の破壊力を持つことがあります。

榴弾の演習弾

榴弾の演習弾には、粘着榴弾や対戦車榴弾などがあり、これらは炸薬の代わりに同じ質量のダミーウェイトが充填されています。また、安全性向上のために工夫が施されており、一部の演習弾には着弾位置を示すための発煙装置が内蔵されています。形状は実物の榴弾と同様で、色が青く塗装されているため、演習弾だと一目でわかるようになっています。

徹甲弾の演習弾

徹甲弾は本来的に炸薬を含まないため、運動エネルギーを利用した訓練用弾薬として安全性が強く求められます。徹甲弾の演習弾は、一定の距離を飛翔した後に運動エネルギーを低下させる仕組みを持っています。具体的には、少量の爆薬が内蔵されており、自爆することや、弾底からパラシュートが展開されることで減速する仕組みがあります。また、低融点合金のボルトで分割された弾丸が熱によって分解し、落下する方式も存在します。

徹甲弾は、演習の際にも実弾が使用されることがあります。陸上自衛隊では、射撃を行う際に専用の徹甲弾ドームと呼ばれる施設が設けられており、弾丸が目標に外れた場合でも安全を確保することができます。

ロケット弾・誘導弾の演習弾

ロケット弾や誘導弾においては、炸薬を内蔵する弾頭部や推進装置を分離できる構造が一般的です。演習用のものでは、弾頭部をダミーウェイトや発煙剤と置き換え、他の部品は実弾と同じ作り方で製造されます。この際、弾頭部分は青色に染められ、他の部分は通常のOD色のままとされています。実際に、ロケットモーター部は実弾と同一の構造で製造され、推進薬が燃焼すると高温高圧のガスが放出されるため、十分な演習効果を得ることができるのです。

関連項目

演習弾と関連のある用語には、擬製弾や狭搾弾があり、またダミーラウンドやスナップキャップなど、訓練や試射の際に用いられる模擬弾があります。これらは実弾によるリスクを回避しつつ、実践的な訓練を可能にするための重要なアイテムです。

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