ロケット弾

ロケット弾の概要

ロケット弾は、一般的にロケット推進を利用した弾薬を指します。初期のロケット弾は誘導装置を持たない無誘導型が主流でしたが、今日では簡単な誘導システムを搭載した弾道修正ロケットが登場し、その進化が進んでいます。ロケット弾はその設計や使用目的に応じて多様な種類に分かれており、技術革新の進展により効率的かつ精密な攻撃手段として利用されています。

ロケット弾の分類

ロケット弾は、設計や運用形態に基づいてさまざまに分類できます。

設計による分類

1. 無誘導ロケット弾
- 地対地用
- 空対空用
- 空対地用
- 対潜用
2. 弾道修正ロケット弾
- 地対地用
- 空対地用
3. 噴進弾
- 野戦砲用
- 迫撃砲用
4. その他
- 地雷処理用
- 地雷散布用
- チャフ・デコイ用
- 魚雷運搬用
- 発煙・照明弾用

運用形態による分類

ロケット弾は、発射機により次のように分類されます。
1. 車載型
- 例: アメリカのMLRSなど、野戦用ロケット弾を搭載した大型トラック。
2. 航空機搭載型
- 攻撃ヘリコプターで使われる空対地ロケット弾。
3. 艦載型
- 対潜ロケット弾やデコイ弾を発射するための武器。
4. 携帯型
- 個人が扱う対戦車ロケット弾など、主にテロ組織などによる使用が目立つ。

無誘導ロケット弾と弾道修正ロケット弾

無誘導ロケット弾は、自由に飛翔させた後に目標に着弾させることで効果を発揮しますが、精度に欠けるため、特に長射程の弾薬は射程延長に伴い精度が低下します。そのため、弾道修正ロケット弾が開発され、GPSやレーザー誘導方式により、射程や弾着精度を向上させています。

代表的なロケット弾の種類

地対地ロケット弾

地対地用のロケット弾は、面制圧を目的とした多連装式の運用が主流です。発射時の白煙により位置が特定されるリスクがあるため、大半が車両に搭載されています。

対戦車ロケット弾

第二次世界大戦で初めて使用された携帯式のロケット弾として、アメリカのバズーカが知られています。バズーカの発射筒にロケット弾を装填し、発射します。この技術はその後各国に模倣され、パンツァーファウストやRPG-7などが登場しました。

空対地ロケット弾

航空機やヘリコプターに搭載され、地上や海上のターゲットを攻撃します。搭載される弾頭は対人・対物用、対戦車用、対艦用など多岐にわたります。特にヘリコプターでは大きな被害を出さずに攻撃する必要があるため、早くからロケット弾が用いられています。

デコイ弾

艦船から発射され、ミサイルを欺くためのチャフやデコイを展開します。これは防護手段としての役割を果たしています。

ロケット弾はその多彩な用途と特性から、現代戦において欠かせない武器の一つとなっています。様々な目的に応じて使用されるこれらの弾薬は、今後も技術革新により進化し続けるでしょう。

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