潭柘寺

潭柘寺：歴史と自然が織りなす古刹

潭柘寺は、中華人民共和国北京市門頭溝区に位置する、豊かな歴史を持つ寺院です。市街地から約30キロ離れた潭柘山の麓に佇み、その静謐な雰囲気は訪れる人々を魅了します。

歴史

潭柘寺の創建は古く、晋代（265年-420年）に遡ると伝えられています。当初は嘉福寺と呼ばれていましたが、清の康熙帝が岫雲寺と命名し、自ら揮毫した額を贈ったとされています。しかし、寺の裏手に龍が棲むという湿地帯（潭）があり、山の斜面には柘の木が生い茂っていたことから、民衆の間では「潭柘寺」の名で親しまれ、それが定着しました。

古くから多くの著名人が潭柘寺を訪れており、特に清の康熙帝と乾隆帝は度々行幸しています。そのため、潭柘寺は皇家寺院としての地位を確立しました。1929年には、蔣介石がわざわざ参拝に訪れたことでも知られています。中華人民共和国成立後の1956年には、朱徳が視察に訪れました。しかし、文化大革命の時代には貴重な文化財が破壊、流失する憂き目に遭い、1968年には一時閉鎖されました。その後、1978年から復旧作業が開始され、1980年7月に再び一般公開されました。

境内

潭柘寺は、北を背にして南向きに建てられており、東、中央、西の三つのエリアに分かれています。

中央エリア：山門、天王門、大雄宝殿、毘盧閣などが配置されています。
東エリア：方丈院、延清閣、行宮院、万寿宮、太后宮などがあります。
* 西エリア：戒台、観音殿などがあります。

境内には、乾隆帝が植えたと伝えられる樹齢1000年を超えるイチョウの木「帝王樹」と「配王樹」があり、見どころの一つとなっています。また、山頂に位置する毘盧閣からは寺院全体を見渡すことができ、秋には山々の紅葉を楽しむことができます。


潭柘寺は、その長い歴史と美しい自然景観が調和した、北京を代表する名刹です。歴史好き、自然好きにはたまらない観光スポットと言えるでしょう。

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