潮止橋

潮止橋（しおどめばし）について

潮止橋は、埼玉県八潮市大字大瀬の中川に架かる、県道54号松戸草加線の道路橋です。本橋は、名前の由来となった潮止村にちなんで名付けられ、東京湾からの潮の影響を受ける感潮河川の一部である中川に位置しています。古い歴史を持つ藤橋の後継として大正期に建設されたこの橋は、地域の交通に重要な役割を果たしてきました。

橋の概要

潮止橋は、中川の河口から19.1キロメートルの地点にあり、埼玉県内では最も下流に位置しています。橋の構造は135.5メートルの長さを持つ単純鋼鈑桁橋であり、幅6.5メートル、支間長15.1メートルの9つの径間から成ります。この橋は、京成バスや東武バスセントラルが通行する指定経路であり、潮止橋の北停留所と南停留所が設けられています。

歴史的背景

潮止橋の前身である藤橋は、明治13年に設置の許可が下り、翌年には工事が開始されました。1882年に完成したこの木造橋は、当初は通行料を徴収する賃銭橋として運用されていました。通行料は人力車や牛馬の料金が設定され、28年をかけて費用を回収する計画でした。藤橋は1940年代の大水害をきっかけに中川の河川改修が行われ、最終的に1925年に廃止されました。

その後、1930年には潮止橋が木造橋として開通し、数回の補修を受けながら運用されてきました。1955年から新しい構造に更新され、2750万円もの工費をかけて1966年に現在の橋が竣工しました。開通時には華やかな式典が行われ、多くの祝賀がありました。現在の潮止橋は、開通当初は歩道が整備されていなかったため、後に両側に歩道が設置され、安心して通行できるようになりました。

現在と周辺環境

潮止橋の周辺は、左岸と右岸の上流側は住宅地として利用されており、下流側は工業地域となっています。特に、澄んだ天気の日には、橋から富士山の美しい姿を望むことができ、訪れる人々にとっての素晴らしい眺望スポットとされています。

潮止橋は、その歴史や構造から地域の重要なシンボルとなっており、今後も地域住民にとって欠かせない存在であり続けるでしょう。潮止橋を通じて、過去と現在をつなぐ重要な役割を果たしています。

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