濡れてにアワー!!

視聴者参加型クイズ番組『濡れてにアワー!!』：1994年の昼下がりの熱狂

1994年10月3日、テレビ朝日系列の昼の帯バラエティ番組『まっ昼ま王!!』木曜日の企画としてスタートした『濡れてにアワー!!』。キャッチコピーは「お金が欲しい人なら、どなたでも参加できるクイズ番組」。華やかな和服姿の桂三枝(現・6代目桂文枝)が「昼下がりのミリオン・ダンディー」として番組を軽妙なトークで進行しました。

本番組は、賞金100万円を目指し、クイズに挑む参加者たちの熱気に満ちた、視聴者参加型クイズ番組でした。しかし、わずか3ヶ月（12週）という短い放送期間ながら、幾度ものルール変更やリニューアルを経て、その短い歴史に様々なエピソードを残しました。最終回当日の新聞テレビ欄には「終」マークがなく、翌年のテレビ雑誌にも番組表に記載されていたことからも、その人気と、突然の終了が視聴者に驚きを与えたことが伺えます。

多彩なクイズ形式とルール変更

番組開始当初は個人戦で、1問正解につき1000円を獲得。2問正解でリーチとなり、さらに正解すれば5万円を獲得して勝ち抜け、というルールでした。その後、団体戦へと移行し、チームで協力して賞金を獲得する方式に変わります。団体戦では、チームの人数やステージ数、出題される問題の種類や難易度、賞金なども変更されました。

クイズ形式も多様で、早押しクイズ、映像問題、読み上げ問題、音楽クイズなど、様々な形式の問題が出題されました。特に、ミリオンステージでは、1分間に10問という高速で問題が出題され、参加者たちの緊張感が高まりました。

さらに、番組独自の要素として「泣きの一問」という延長戦や、観客がクイズの行方を予想する「ギャンブラー席」なども存在しました。これらの企画は、視聴者参加型のクイズ番組としての面白さをさらに高める役割を果たしていました。

司会者と出演者

司会を務めたのは桂三枝(現・6代目桂文枝)です。軽妙なトークと独特のキャラクターで番組を盛り上げました。出題は長野智子が担当。また、司会者の横には「MCママー」と呼ばれる一般女性（主婦限定）が進行役として出演していました。

ミリオンステージと金満席

番組のハイライトは、なんといっても賞金100万円を賭けた「ミリオンステージ」でしょう。優勝チームの代表者は、独特のデザインの解答席「金満席」に座り、1分間に10問出題されるクイズに挑戦しました。全問正解で賞金100万円を獲得でき、5問以上正解でも賭け金が倍増する一方、4問以下だと賭け金が没収されるという、ハラハラドキドキする展開が繰り広げられました。

短い期間ながら多様な試み

『濡れてにアワー!!』は、3ヶ月の短い放送期間でしたが、個人戦と団体戦の切り替え、クイズ形式の多様化、賞金システムの変更など、様々な試みが繰り返されました。時には、放送事故や苦情につながる問題も出題されたりと、番組制作の裏側には様々な苦労があったことが想像されます。しかし、それらの試行錯誤が、番組をより魅力的で、記憶に残るものにしたことは間違いありません。

変化に富んだルールと、その背景

番組は、放送期間中に何度もルール変更が行われました。これは、視聴率や番組の反応を見ながら、より視聴者にとって面白い番組にするための試行錯誤の結果であったと考えられます。例えば、個人戦から団体戦への変更、クイズの種類や難易度の調整、賞金システムの変更など、様々な要素が変更されました。これらの変更は、番組を常に新鮮で、飽きさせないものにするための工夫であったと言えます。

短命に終わった番組ではありましたが、『濡れてにアワー!!』は、視聴者参加型のクイズ番組の先駆けとして、そして、様々な試みが行われた番組として、テレビ史にその名を刻みました。その記憶は、多くの視聴者の心に今も残っていることでしょう。

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