まっ昼ま王!!

『まっ昼ま王!!』の概要

『まっ昼ま王!!』（まっぴるまおう!!）は、1994年10月3日から1995年3月31日までテレビ朝日系列で生放送されたバラエティ番組です。この番組は、以前の『アフタヌーンショー』の打ち切り後、平日正午の放送枠が低迷していたことから、新たな助け舟のように制作されました。

制作背景

番組の始まりは、報道番組『ザ・ニュースキャスター』の後継として立ち上がったものです。制作の指揮を執ったのは、当時『タモリ倶楽部』のプロデューサーでもあり、テレビ朝日の深夜番組制作班のエースとして知られていた斉藤由雄。昼の帯番組としての新たな形を求め、日替わりで内容や出演者を変えるという構成を取りました。もともと『パオパオチャンネル』のフォーマットからインスパイアを受け、明るく多彩なバラエティを目指しましたが、制作前には懸念もありました。

番組の形式と特異性

『まっ昼ま王!!』は、曜日ごとに異なる出演者と内容を特徴としており、牽引していたのは月曜から金曜までの各コーナーです。月曜日には「幸福のどん底」、火曜日は「電撃!ナベカルチョ」、水曜日は「ダイナミック商会」といった具合で、多くの有名なタレントが参加しました。しかし、番組全体を管理するスーパーバイザーや総監督が存在せず、各曜日の担当が独立して運営されていたため、視聴率に関しての責任議論が頻発しました。

特に裏番組ではある『笑っていいとも!』などの人気番組が競合し、安定した視聴率を確保するのが難しい状況にありました。結局、視聴率は低迷し、最高でも20%をマークした回もあったものの、他方で「測定不能」となったエピソードも存在しました。金曜日では特に状況が厳しく、視聴率が0.6%にまで落ち込んだことが記録されています。

企画の終わりとその後

番組は1995年の1月に内容変更を試みるなどテコ入れをしても、結果は芳しくなく、半年で打ち切りに至りました。制作にかかわった多くのスタッフは、当時の記憶が薄れるほど印象が薄く、放送から30年が経過した現在でも「幻の番組」と称され続けています。出演者のひとりである浅草キッドは、チームワークの不足が打ち切りの原因の一つだと語っており、番組の方向性が定まらなかったことが影響があると指摘されました。

視聴率データと逸話

初回放送の視聴率は1.9%で、放送開始から3か月の平均は1.7%という厳しいスタートを切りました。歴代最低となる視聴率が記録された日もあり、興味深い逸話として浅草キッドは、この番組で初めて「着地」する瞬間を目撃したと語っており、それが彼にとってトラウマ的な記憶として残っています。

また、当時のフォーマットの失敗から、他局ではネタとしても取り上げられていました。特にフジテレビの『タモリのSuperボキャブラ天国』では、本番組をおちょくるような演出がされ、視聴者の笑いを誘っていました。後年、特番や他の番組でその名が出るなど、若干の回顧がなされています。

結論

『まっ昼ま王!!』は、高い目標を持ちながらもその実現には至らなかった番組でした。既存の視聴習慣を打破する試みと、個性的な出演者たちのおかげで、バラエティ番組に新たな風を吹き込む可能性を秘めていた一方で、何が必要だったのかを見つけられなかったことが、当番組の失敗に繋がりました。そのため、今後もこの番組は私たちにとって興味深い実験として記憶されることでしょう。

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