瀧浪貞子

瀧浪貞子について

瀧浪貞子（たきなみ さだこ、1947年8月生まれ）は、日本の著名な日本古代史学者です。彼女は筑波大学で博士号を取得し、主に奈良時代や平安時代の研究を専門としています。特に飛鳥時代の政治・文化に関する研究が評価されています。また、京都女子大学で長年教鞭を執り、名誉教授としての地位を確立した方です。

略歴

瀧浪は大阪府で生まれました。高校を卒業後、京都女子大学の文学部へ進学し、1971年に東洋史学科を卒業しました。学びを続け、1973年には日本史を専攻する修士課程を修了しました。その後、1992年には筑波大学で文学博士の学位を授与されました。

彼女のキャリアは、樟蔭中学校の講師を経て、1982年には母校の京都女子大学文学部で専任講師として教壇に立つことに始まります。1986年に助教授、1994年には教授に昇進しました。2013年には教授職を退いて名誉教授となり、研究および著作活動を続けています。

古代参議制の研究

瀧浪貞子は、古代の政治体系において重要な役割を果たした「参議制度」に関する新たな視点を提起しました。従来の通説では、初期参議の職務は国政の審議や合議で構成される「参議朝政」と考えられていました。しかし、彼女は「待問参議論」を展開し、初期参議が持つ役割やその変遷について深く掘り下げました。これにより、古代日本の政治構造の理解が一層進みました。

主要な著作

瀧浪は多くの著作を発表しており、その中には次のようなものがあります。

• - 『日本古代宮廷社会の研究』（思文閣出版）1991年
• - 『平安建都』（集英社、日本の歴史5）1991年
• - 『最後の女帝 孝謙天皇』（吉川弘文館、歴史文化ライブラリー）1998年
• - 『帝王聖武 天平の勁き皇帝』（講談社選書メチエ）2000年、のち改題『聖武天皇「天平の皇帝」とその時代』（法藏館文庫）2022年9月
• - 『女性天皇』（集英社新書）2004年
• - 『奈良朝の政変と道鏡』（吉川弘文館、敗者の日本史2）2013年
• - 『藤原良房・基経 藤氏のはじめて摂政・関白したまう』（ミネルヴァ書房、日本評伝選）2017年
• - 『光明皇后 平城京にかけた夢と祈り』（中央公論新社、中公新書）2017年
• - 『持統天皇 壬申の乱の「真の勝者」』（中央公論新社、中公新書）2019年
• - 『桓武天皇』（岩波新書）2023年8月

これらの著作では、彼女がいかに日本古代史の深い理解を追求し、学問の発展に貢献してきたかが示されています。また、彼女は共著や監修、解説を通じても多くの研究を行っています。

結論

瀧浪貞子は、日本古代史における重要な研究者であり、彼女の業績は日本の歴史学界において非常に大きな影響を与えています。彼女の研究は古代の制度や文化を深く掘り下げることで、今もなお学界に新しい視点を提供し続けています。彼女の著作は、未来の研究者たちにとっても貴重な資料となることでしょう。

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