瀬田村

瀬田村について

瀬田村（せたむら）は、かつて熊本県菊池郡に存在した村であり、歴史的な遺跡や自然環境に恵まれた地域です。1956年8月1日に大津町や他村と合併し、新たに大津町が設立されました。この合併に際し、従来の瀬田村は立野を除いて大津町に編入される形となり、立野は長陽村に引き継がれました。

沿革

瀬田村は1889年4月1日に町村制が施行された際、大林村、吹田村、立野村と共に合併し発足しました。その後、1956年に行われた合併により、瀬田村は公式にその役割を終えることとなりました。

地理

大津町の東部に位置し、立野、瀬田、大林、吹田の4つの地域で構成されています。地域は東西約8㎞、南北約2.5㎞ほどの面積を有し、白川と黒川が交わる立野の火口瀬から西側の一帯が含まれています。地形上、阿蘇の火口から立野へかけて吹き抜ける強風が特徴的で、この風は「まつぼり風」と呼ばれ、春秋には特に気温差が激しい日によく発生します。

歴史

地域の歴史は古く、縄文時代から弥生時代、古墳時代にかけての遺跡が点在しています。特に瀬田裏遺跡や大林遺跡では、早期の生活の痕跡が見つかっています。また、中世においては「せた村」という名が文書に記されており、阿蘇神社の領地に含まれていたことが知られています。室町時代には、地域の小領主である瀬田氏がその名をとどめていましたが、戦国時代には合志氏に支配されるようになり、その後はさらに摂政であった島津氏により滅ぼされてしまいます。

近世に入ると、合志郡に属し、検地帳に記されたその農地面積は大林村と吹田村を合わせて127町余、石高は800石ほどに達します。水利の整備も進み、元和4年には下井手堰が竣工し、水田の開発が進行しました。ここで新たに勢いを増した探査土木工事により、地域の農業は大きな発展を遂げました。

近代

明治時代には、瀬田、大林、吹田の水田は471町余に達し、人口は1,999人を数えました。交通の便も良くなり、明治22年には豊肥線が立野まで延長され、瀬田駅と立野駅が設置されました。さらにその2年後には宮地まで開通し、昭和3年には高森線も開通しました。この時期、黒川第一、第二、第三水力発電所も建設され、地域の発展に寄与しました。

教育

教育面では、瀬田村立瀬田東小学校が設立され、その後長陽村や南阿蘇村に名称が変わりました。また、瀬田西小学校も存在し、その後大津町立瀬田小学校に改編され、多くの地域の子どもたちに教育を提供してきました。

結論

かつての瀬田村は、歴史的遺跡や自然環境に恵まれた地域で、多くの文化が育まれた場所です。合併や発展の歴史を通じて、現在の地域社会を形成する大切な要素となっています。

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