瀬見博

瀬見 博（せみ ひろし）氏は、1950年10月7日に大阪市で生まれ、日本の教育者、経営学者として多方面で活躍しました。

学歴と初期キャリア

1969年に大阪府立北野高等学校を卒業後、1970年に関西学院大学商学部に入学。1974年に同大学を卒業し、引き続き大学院商学研究科で学びました。修士課程を1976年に修了した後、博士課程後期課程に進み、1979年に単位取得満期退学。その後、1993年に関西学院大学より博士（商学）の学位を取得しました。

関西学院大学での教職と要職

大学院修了と同年の1979年、関西学院大学商学部の専任講師に着任。1983年には助教授、そして1989年には教授に昇任し、長きにわたり教鞭を執りました。商学部では主に経営学基礎、マネジメントサイエンス、経営数学といった科目を担当し、多くの学生を指導。また、教育・研究活動だけでなく、大学運営においても重要な役割を果たしました。商学部では学生副主任、学生主任、教務主任を歴任し、2008年には同学部長および大学院商学研究科委員長を務めました。さらに、大学全体の運営にも携わり、教務部委員、入試副部長、そして入試部長としても貢献しました。

研究活動と業績

専門は経営数学やマネジメントサイエンスで、特に目標計画法に関する研究で知られています。主著に『目標計画法の研究』（泉文堂、1989年）があります。これ以外にも、経営数学、経営情報、経営戦略、財務数学、意思決定論、オペレーションズ・リサーチ、DEA（包絡分析法）といった幅広い分野で多数の論文を発表し、共著・分担執筆の形で多くの専門書に関わっています。代表的なものとして、吉田和夫・大橋昭一編著『ドイツ経営学総論』や『基本経営学総論』、深山明・海道ノブチカ編著『経営学の歴史』などに執筆。また、専門用語辞典の編纂にも携わり、『基本経営学用語辞典』や『経営学史事典』において、OR、ゲーム理論、線形計画法、動的計画法といった項目を執筆しています。学会活動では、日本経営数学会で理事、常任理事、監事など、様々な役職を歴任し、学会の発展に寄与しました。

学外での教育活動と海外経験

関西学院大学での常勤職務に加え、他の教育機関でも非常勤講師として教鞭を執りました。大阪市立大学商学部、大阪女学院短期大学、同志社大学大学院総合政策科学研究科、神戸商科大学大学院経営学研究科、大阪経済大学などで教えました。また、1991年にはワシントン大学の客員研究員として海外での研究経験も積みました。

スポーツへの貢献

教育・研究以外での特筆すべき活動として、関西学院大学体育会ラグビー部の部長を約15年にわたり務めたことが挙げられます。部長としてチームを支え、合宿への帯同やリーグ戦の応援などを通じて部員と深く関わりました。この期間中に、チームは関西大学リーグで3度の優勝を果たしました。具体的には、2008年に51年ぶりの関西制覇を達成。翌2009年には7戦全勝で2年連続の優勝。そして2014年にも7戦全勝で5年ぶりとなる優勝を成し遂げました。瀬見氏のリーダーシップとサポートは、チームの強化と栄光に大きく貢献しました。

近年の活動

関西学院大学を定年退職後も、教育・学校運営に携わっています。2021年には学校法人ポプラ学園ポプラ介護福祉学校の校長に就任し、2023年には第1期生の卒業式を執り行いました。また、2022年からは学校法人関西学院の監事も務めるなど、教育機関の発展に引き続き貢献しています。研究活動においても、CiNii Researchやresearchmap、J-GLOBALといった研究データベースに多数の論文や情報が登録されており、その業績は広く公開されています。教育者、研究者、そして大学運営者として多岐にわたる活躍を見せ、特に経営数学・マネジメントサイエンス分野における貢献と、ラグビー部部長としての功績は特筆されます。

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