火かき棒

火かき棒（ひかきぼう、火掻き棒とも表記）は、主に暖炉や石炭ストーブで使用される道具であり、燃焼後の灰や燃えがらを取り除く際に用いられます。ストーブ内の清掃や、燃焼状態を調整する目的で使用されることもあります。

地域によっては異なる名称で呼ばれており、特に北海道では「デレッキ」という名称が一般的です。この「デレッキ」という言葉の由来については諸説あり、明治時代の九州・筑豊地方の炭鉱でボイラーの火かき棒が「レレッキ」と呼ばれていたという記録も存在します。このことから、「レレッキ」という名称がかつては全国的に使用されていた可能性も指摘されています。しかし、「デレッキ」の語源は明確には特定されておらず、オランダ語や英語に由来するという説が存在します。英語の「RAKE（レーキ）」が語源であるという説も有力ですが、確証は得られていません。

火かき棒の種類と形状

火かき棒の形状は、用途やストーブの種類によって様々です。一般的には、金属製の棒の先に灰を掻き出すための鉤状のものが付いています。柄の部分は木製や金属製のものがあり、長さも様々です。小型のストーブで使用するものは短く、大型のストーブで使用するものは長くなっています。素材も鉄、ステンレス、真鍮など多様で、デザイン性も重視されたものも存在します。

火かき棒の選び方と使い方

火かき棒を選ぶ際には、ストーブのサイズや形状に合ったものを選ぶことが重要です。長すぎる火かき棒は扱いづらく、短すぎる火かき棒は奥の灰を掻き出すのが困難になります。また、素材も重要で、耐久性の高い金属製のものがおすすめです。使用する際には、火傷に注意し、必ず耐熱性の手袋を着用してください。灰を掻き出す際には、ストーブの内部を傷つけないように注意しながら、ゆっくりと行いましょう。掻き出した灰は、金属製の容器に入れて安全に処理してください。

哲学史における火かき棒

火かき棒は、哲学史における有名なエピソードにも登場します。哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインが、カール・ポパーとの議論中に激怒し、火かき棒を振り回したとされています。この出来事は「火かき棒事件」と呼ばれ、哲学の世界ではよく知られています。この事件は、ウィトゲンシュタインの激しい性格を象徴するものとして語り継がれています。

関連項目

ペチカ
ダルマストーブ
暖炉
火箸

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