火星旅行 (1918年の映画)

『火星旅行』（Himmelskibet）

概要

『火星旅行』は、サイレント映画時代の1918年にデンマークで製作されたSFジャンルの作品です。原題の「Himmelskibet」はデンマーク語で「宇宙船」を意味します。この作品は、人類が宇宙船で火星へ向かう最初の惑星探検を描いた、サイレント映画時代における黎明期のSF作品の一つです。当時の映画製作技術や科学観に基づき、宇宙空間の航行や異星世界での出来事が描かれており、SFジャンルの初期における試みとして位置づけられます。

デンマーク国内における位置づけ

本作品は、その後のデンマーク映画史におけるSFジャンルの展開という点で特異な存在です。この映画が公開されて以降、デンマーク国内で次にSF映画が製作・公開されるまで、長い空白期間があったとの指摘があります。具体的には、1961年の『冷凍凶獣の惨殺』まで、約40年以上にわたり本格的なSF映画がほとんど作られなかったとの見方が存在します。

リストアと現代での鑑賞

公開からおよそ90年を経た2006年、デンマーク映画学院によってデジタルリストア作業が行われました。映像の修復により、映画本来の姿に近い形で復元され、DVDとしてリリースされました。これにより、現代の観客もこの歴史的なSF映画を鑑賞できるようになっています。

日本での紹介

日本には大正時代の1920年（大正9年）7月15日に紹介され、当時の東京・浅草の帝国館で上映されました。興味深いことに、当時の帝国館の新聞広告では、作品の題名が『火星旅行』ではなく、『火星飛行』と表記されていた記録があります。

なお、本作品の日本公開から約2年後の1922年（大正11年）1月20日には、ドイツ映画の『火星旅行』が同じく浅草帝国館で公開されています。日本において『火星旅行』という邦題を持つ異なる作品が存在するため、混同しないよう注意が必要です。

キャスト

主要な出演者は以下の通りです。

Avanti Planetaros船長：グンナール・トルナエス
Corona（Avantiの妹）：ザニー・ペテルセン
Planetaros教授：ニコライ・ニーエンダム
Krafft博士：アルフ・ブリュッテッヒャー
David Dane（アメリカ人）：スヴェン・コルンベック
火星人のリーダー：フィリップ・ベック
Marya（火星人のリーダーの娘）：リリー・ヤコブソン
Dubius教授：フレデリック・ヤコブセン

出典

（入力情報に記載なし）

関連項目

火星旅行 (1921年の映画)

外部リンク

火星旅行 - KINENOTE
Himmelskibet - IMDb（英語）
Himmelskibet on YouTube
Plot summary
Programme in Danish with pictures
* Himmelskibet

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