炭鉱離職者援護会

炭鉱離職者援護会

炭鉱離職者援護会は、かつて存在した特殊法人であり、炭鉱の閉山や人員削減によって職を失った人々、すなわち炭鉱離職者に対する支援を目的として設立されました。その活動の中心は、離職者の再就職支援と生活の安定を図ることにありました。この組織は、炭鉱離職者臨時措置法に基づいて設立されましたが、その存続期間はわずか1年半強と非常に短いものでした。活動期間中、労働大臣と通商産業大臣の監督下に置かれていました。

沿革

1959年（昭和34年）12月18日：炭鉱離職者援護会が設立。
1961年（昭和36年）7月1日：一切の権利および義務が雇用促進事業団に引き継がれ、炭鉱離職者援護会は解散。

業務内容

炭鉱離職者援護会は、以下の事業を通じて、離職者の再就職と生活を支援しました。

1. 移住支援: 炭鉱労働者や離職者が多く住む地域から、新たな生活の場を求めて移住する際に、必要な資金を支給しました。
2. 職業訓練支援: 離職者が新たなスキルを習得し、再就職を有利に進めるための職業訓練に対し、手当を支給しました。
3. 雇用促進: 企業が離職者を雇用する際に、従業員向けの宿舎を提供することで、雇用を促進しました。
4. 講習会の実施: 再就職に必要な知識や技能を習得するための講習会を開催し、離職者のスキルアップを支援しました。
5. 求職活動協力: 公共職業安定所（ハローワーク）との連携を通じて、離職者の求職活動をサポートしました。
6. 起業支援: 独立して事業を始めようとする離職者に対し、必要な資金の融資斡旋を行いました。
7. 生活指導: 離職後の生活に関する指導や相談に応じ、生活の安定を支援しました。
8. その他: 上記の各業務に付随する業務も行いました。

背景

炭鉱離職者援護会が設立された背景には、当時の日本のエネルギー政策の転換と、それに伴う炭鉱の閉山が大きく影響しています。石炭から石油へのエネルギー転換が進む中で、多くの炭鉱が閉鎖され、大量の離職者が発生しました。これらの離職者に対する緊急的な救済措置として、炭鉱離職者臨時措置法が制定され、その法律に基づいて炭鉱離職者援護会が設立されたのです。

解散とその後

炭鉱離職者援護会は、その役割を雇用促進事業団に引き継ぎ、短期間で解散しました。しかし、その活動は、その後の雇用対策や職業訓練制度の発展に大きな影響を与えました。雇用促進事業団は、援護会の事業を引き継ぎ、より広範な失業者に対する支援を行うようになりました。その後、雇用促進事業団は雇用・能力開発機構へと改組され、現在の独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構へと繋がっています。

関連項目

雇用・能力開発機構
炭鉱

外部リンク

* 炭鉱離職者臨時措置法

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