雇用・能力開発機構

独立行政法人雇用・能力開発機構とは

独立行政法人雇用・能力開発機構（英語：Employment and Human Resources Development Organization of Japan）は、厚生労働省に属し、雇用保険と職業訓練に関連する様々な業務を行っていた機関です。主に、離職者の職業訓練や人材育成のための助成金の支給を通じて、労働市場の安定を図る役割を果たしました。しかし、2011年10月1日付で廃止され、その業務は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構などに移管されました。

事業の概要

この機構は、雇用保険法に基づく雇用保険二事業を主に実施していました。以下にその主な業務について詳述します。

能力開発に関する業務

公共職業能力開発施設や職業能力開発総合大学校の運営、さらに事業主が行う職業訓練の支援を行っていました。また、キャリア・コンサルティングを通じた就業支援も重要な業務の一つです。

雇用開発に関する業務

中小企業の雇用創出を促進するための助成金の支給や相談サービスなども提供し、特に地域の雇用状況の改善に寄与しました。

勤労者財産形成促進に関する業務

勤労者の長期的な生活安定を図るため、各種融資制度を設けており、特に住宅取得を支援する取り組みも行っていました。

その他の業務

これまで運営してきた雇用促進住宅の廃止や譲渡に関連する業務もありました。

歴史的背景

本機構の歴史は1950年代に遡ります。1957年、労働者福祉の増進を目的として労働福祉事業団が設立され、1959年には炭鉱離職者援護会が設立されました。1961年には雇用促進事業団が設立され、これらの事業を引き継ぎました。その後、時代の変化に伴い、1999年に雇用・能力開発機構が設立されました。これにより、離職者や技能向上を目的とする専門的な訓練が強化されました。

2004年には本機構が独立行政法人化され、より効率的な運営に向けた改革が進められました。しかし、2011年には「独立行政法人雇用・能力開発機構法を廃止する法律」が施行され、機構は解散しました。この際、職業能力開発業務は高齢・障害・求職者雇用支援機構に移管されました。

廃止後の事業移管

機構廃止以降、職業訓練および雇用に関連するすべての業務は各機関に移管されており、都道府県労働局が雇用管理や助成金業務を引き継ぎました。また、勤労者福祉制度は独立行政法人勤労者退職金共済機構に移管され、財産形成に関する業務もそこで継続されています。

結論

独立行政法人雇用・能力開発機構は、雇用保険や職業訓練の重要な役割を担っていましたが、その組織の廃止とともに業務は他の法人に移行され、現代の雇用環境に適応した形で新たな支援の形を模索しています。

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