点灯管

蛍光灯を明るく点灯させるための小さな巨人：点灯管

蛍光灯を使用する際、その点灯を補助する重要な役割を担うのが「点灯管」です。私たちが目にする機会は少ないものの、蛍光灯がスムーズに点灯するために欠かせない部品なのです。

グロー式点灯管：初期の蛍光灯点灯システム

初期の蛍光灯には、グロー式点灯管が広く用いられていました。これは、内部にバイメタル電極とガス封入されたガラス管からなるシンプルな構造をしています。通電すると、電極間に放電が発生し、その熱でバイメタル電極が湾曲して接触、蛍光灯の電極を予熱します。その後、電極が冷えて接点が離れることで、蛍光灯が点灯する仕組みです。この過程で、蛍光灯は数回点滅します。

グロー式点灯管には、E型とP型があり、主にソケットの形状で区別されます。E型はエジソンソケット、P型はピンソケットを使用します。P型には、蛍光灯点灯時のノイズを低減するためのコンデンサーが内蔵されています。

グロー式点灯管は、使用回数が増えるにつれて寿命が尽き、蛍光灯の点灯に時間がかかったり、点灯しなくなったりします。しかし、蛍光管と同様に交換が容易なため、手軽に交換できます。

電子点灯管：進化した点灯システム

近年では、グロー式点灯管に代わって電子点灯管が主流となっています。電子点灯管は、内部に電子回路を搭載しており、蛍光灯の電極を効率的に予熱し、一回の動作で瞬時に点灯させることができます。グロー式点灯管のように数回の点滅を繰り返す必要がないため、蛍光灯の寿命を延ばすことに貢献しています。

電子点灯管は、安定器と連携して高圧パルスを発生させることで、電極を確実に予熱します。そのため、点滅は一度だけで済み、電極の劣化を最小限に抑えることができます。万が一、蛍光灯が不点灯になった場合でも、数十秒ほど間隔を置いて電源を入れ直せば、再点灯する可能性が高いです。

グロー式と比較すると、電子点灯管は点灯時間が短く、寿命が長く、ランニングコストも抑えることができます。また、近年ではASIC（特定用途向け集積回路）を搭載し、より効率的な制御を行う電子点灯管も登場しています。

点灯管の規格とメーカー

点灯管は、電球と同様にねじ込み式のエジソンソケット（E型）と、差し込み式のピンソケット（P型）の2種類があります。

点灯管の需要は減少傾向にありますが、多くのメーカーが電子点灯管の生産にシフトしています。主なメーカーとしては、日本国内ではパナソニック、東芝、日立、ホタルクス、三菱電機、朝日電器、オーム電機、ヤザワコーポレーションなどが挙げられ、海外ではPhilips、GE、Havells Sylvaniaなどが知られています。中国や台湾のメーカーも存在します。これらのメーカーは、蛍光灯や電球型蛍光灯と共に、交換用途に特化した点灯管の生産を継続しています。

まとめ

点灯管は、蛍光灯の点灯に不可欠な部品です。グロー式から電子式へと進化を遂げ、省電力化や長寿命化に貢献しています。今後、LED照明の普及により、点灯管の需要はさらに減少すると予想されますが、既存の蛍光灯の利用を継続するためには、依然として重要な役割を果たし続けるでしょう。

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