烏帽子岳 (豊後大野市)

烏帽子岳（えぼしだけ、よぼしだけ）

概要

烏帽子岳は、大分県豊後大野市大野町藤北に位置する標高821mの山です。大分市との境界付近にあり、西に鎧ヶ岳、東に雨乞岳と並び、豊後大野市の北の境界を形成しています。その特徴的な山容が、古来より貴族の冠である烏帽子に似ていることから、この名が付けられました。地元では「えぼしだけ」だけでなく、「よぼしだけ」とも呼ばれることがあります。

歴史と信仰

烏帽子岳の東麓には、大友氏三代当主である大友頼泰によって建立されたと伝えられる烏帽子岳浄水寺があります。この寺は、馬頭観音を本尊としており、牛馬の守り神として地域住民から深く信仰されてきました。1977年に本堂が火災で焼失しましたが、幸いにも本尊は無事で、その後再建された本堂に安置されています。

えぼし公園と桜

浄水寺の境内にあるえぼし公園は、全国的にも珍しいボタンザクラだけが植えられた公園として知られています。4月中旬から5月上旬にかけて、約1000本のボタンザクラが一斉に咲き誇り、その美しさから桜の名所として多くの人々が訪れます。特に4月下旬には「えぼし岳ぼたん桜祭り」が開催され、賑わいを見せます。このボタンザクラは、豊後大野市を代表する花として、市の花にも選ばれています。

自然と景観

烏帽子岳は、大分百景の一つにも選ばれており、その美しい景観は多くの人々を魅了しています。また、烏帽子岳を含む周辺地域は、大分県によって神角寺芹川県立自然公園に指定されており、豊かな自然が保護されています。登山道も整備されており、ハイキングや自然観察を楽しむことができます。四季折々の自然の美しさを感じることができる場所として、地元住民だけでなく、多くの観光客にも親しまれています。

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