烙印なき男

『烙印なき男』（原題: The Maverick Queen）は、1956年に公開されたアメリカの西部劇映画です。テクニカラーで彩られた映像が、19世紀後半の荒野を舞台に繰り広げられる愛と欲望、そして裏切りのドラマを鮮やかに描き出しています。

あらすじ

物語の舞台は19世紀後半のアメリカ、ワイオミング州のロック・スプリングという町。主人公のキット・バニオンは、かつてバージニア州の名家に生まれましたが、南北戦争で全てを失い、この地に流れ着きました。彼女はホテル「荒野の女王」を経営し、非合法な活動で財を築き、ついには町の大半を支配するまでに至ります。

キットは、無法者集団「ワイルド・パンチ」の一員であるサンダンスと愛人関係にありました。しかし、彼女はサンダンスに飽き始め、ジェフという新しい男に心を惹かれます。ジェフが、悪名高いジェシー・ジェームズの仲間、ヤンガー兄弟の親類であり、過去に服役していたことを知ったキットは、彼を仲間に引き入れようと画策し、ホテルのカード係として雇い入れます。

ある日、牧場主のルーシー・リーがジェフを訪ね、ワイルド・パンチによる牛泥棒を止めてくれるよう懇願します。しかし、ジェフは彼女の依頼を拒否。実は、彼は道中で一味が牛を盗むのを手助けしていたのです。その後、キットが計画した列車強盗で、ジェフは目覚ましい活躍を見せ、一味の首領であるキャシディからも高く評価されるようになります。

しかし、ルーシーの牧場に潜んでいたジェイミーから、強盗を妨害した人物の正体がジェフであるという情報がキットに届きます。キットは、ジェフに一味から抜け出すよう促しますが、彼はそれを拒否。一方、サンダンスはキットの暗殺に失敗し、ルーシーの牧場に逃げ込みます。彼はルーシーをキャシディの元へ連行し、ジェフの正体を暴露します。

命からがら逃げ出したキットは、町に戻りますが、そこには彼女の知るかつての町はありませんでした。「ワイルド・パンチ」は倒され、「荒野の女王」の所有権も失われていたのです。さらに、本物のジェフ・ヤンガーが現れたことで、キットは自分の立場が危うい事を悟ります。彼女はキャシディの元へ向かい、ジェフとルーシーを殺害しようとしますが、逆に殺されてしまいます。

最終的に、ルーシーとジェフは保安官とその仲間たちによって救出され、物語は幕を閉じます。キットの野望は、彼女自身の裏切りによって打ち砕かれるという、衝撃的な結末を迎えることになります。

キャスト

キット・バニオン：バーバラ・スタンウィック
ジェフ：スコット・ブレイディ
サンダンス：バリー・サリヴァン
キャシディ：ウォルター・キャッツ
ルーシー・リー：メアリー・マーフィ

外部リンク

烙印なき男 - IMDb（英語）
烙印なき男 - TCM Movie Database（英語）
烙印なき男 - オールムービー（英語）

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