バーバラ・スタンウィック

バーバラ・スタンウィックとは

バーバラ・スタンウィック（1907年7月16日 - 1990年1月20日）は、アメリカ合衆国ニューヨーク市出身の著名な女優です。本名はルビー・キャサリン・スティーヴンスで、彼女の愛称は「ミッシー」として知られています。スタンウィックは、映画と舞台の両方で卓越した才能を発揮し、20世紀の映画界において重要な存在であり続けました。

幼少期とキャリアの始まり

彼女は5人兄弟の末っ子として生まれましたが、幼少期に母親を亡くし、その後父親も家を出てしまいます。4歳で孤児となり、さまざまな里親のもとを渡り歩いた後、10歳でコーラス・ダンサーの姉に引き取られました。スタンウィックは姉の恋人からダンスを教わり、13歳で学校を中退しました。その後、電話会社で働いたりしながら、15歳でジークフェルド・フォーリーズのコーラス・ダンサーとしてデビューし、26歳でブロードウェイの主役を務めるようになります。

映画デビューと成功

彼女の映画キャリアは1927年に始まり、ミュージカル『Broadway Night』のダンサー役でデビューしました。それからしばらく舞台を中心に活動しましたが、1928年にボードビリアンのフランク・フェイと結婚してハリウッドに移り、その後、フランク・キャプラ監督の作品である『希望の星』が成功を収めたことで実力派女優としての地位を確立します。スタンウィックはその後もキャプラ監督と数度のコラボレーションを行い、『奇蹟の処女』や『たそがれの女』で魅力的な演技を披露します。

ワーナー・ブラザースとの契約後、彼女は『夜の看護婦』や『紅唇罪あり』など、様々なジャンルの作品に出演し、本格的な女優としての道を拓きました。スタンウィックは1933年の『風雲の支那』でもキャプラと共作し、その後の映画でも常に新しい形の役柄を挑戦し続けました。

私生活と映画キャリアの発展

1935年に離婚した後も、スタンウィックはさまざまな映画作品に出演。その中で、親権を放棄する母親を描いた『ステラ・ダラス』では、アカデミー主演女優賞に初めてノミネートされます。さらに、1939年にテイラーと再婚した後、『大平原』や『ゴールデン・ボーイ』など、多彩な役に挑み続けます。そして、1941年にはキャプラとの最後のタッグ作『群衆』で、社会的テーマに取り組むキャラクターを演じるとともに、映画界での地位を確立しました。

映画界での影響と評価

彼女はかつてのイメージを覆すようなファム・ファタール役にも挑戦し、1944年映画『深夜の告白』でその評価を高めました。また、彼女の人柄は非常に良いとされ、多くの男優たちから共演を望まれる存在でした。1940年代にはアメリカの最高所得の女優となり、安定的な人気を維持し続けました。1950年代にも様々なジャンルの映画に出演し、1960年代に突入してもその存在感を失うことはありませんでした。

テレビ界への進出と受賞歴

スタンウィックは1960年代からテレビにシフトし、『バーバラ・スタンウィック・ショー』や『バークレー牧場』で新しいファン層を形成しました。この間の活躍により、彼女は数々の賞を受賞し、1982年にはアカデミー名誉賞も授与されました。さらに、1987年にはアメリカン・フィルム・インスティチュートから生涯功労賞を受け、彼女の業績は広く評価されていきました。

晩年と死

1990年に心不全でこの世を去ったスタンウィックは、今もなおアメリカ映画史に名を刻む伝説の女優として、多くのファンに愛され続けています。彼女の輝かしいキャリアと人柄は、今でも映画界に影響を与えています。

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