無限軌道 (アルバム)

アルバム『無限軌道』の概要

『無限軌道』（むげんきどう）は、チューリップによる通算5枚目のアルバムで、1975年4月5日にリリースされました。このアルバムは、これまでの作品とは一線を画した音楽性を特徴としており、全体的に暗く硬い雰囲気が漂っています。これは、アイドル的な人気からの脱却を目指した挑戦の一環とも言えるでしょう。

オリコンチャートでは最高で4位を記録したものの、アルバムの内容はアイドル的なイメージに囚われず、グループの音楽的な成長を感じさせます。ブレイク後のチューリップでは、財津和夫と姫野達也の二人のボーカリストが前面に出ていましたが、今作ではほぼすべての楽曲を財津が歌唱。姫野はたった一曲のボーカルだけの参加となっています。この特徴からも、彼らが新たな音楽的方向性を模索していたことが伺えます。

ジャケットデザインも、そのアルバムのテーマを強く反映しています。タイトル「無限軌道」と黒地にモノクロで描かれた財津の顔が印象的で、彼のサングラスに映った他のメンバーの写真はカラーで、アルバムのコンセプトを視覚的に表現しています。裏面は色味が異なり、財津の表情やメンバーのポーズが印象的です。このような視覚的要素も、アルバムのテーマ性を高めています。

2000年には、このアルバムの未発表曲『旅立』が『TULIP Anthology1〜Rare Tracks〜』に収録されました。財津のボーカルのみで構成されたこの曲は、彼の独自の音楽スタイルを引き立てています。

収録曲一覧

SIDE A

1. 心を開いて
- 作詞・作曲：財津和夫
- 編曲：チューリップ・青木望
- ボーカル：財津和夫
- この楽曲はイントロなしで始まり、財津の人生観を表現した内容となっています。ライブでは定番化しており、ソロでも演奏されています。

2. 私は小鳥
- 作詞・作曲：財津和夫
- 編曲：チューリップ
- あべ静江によるカバーも発表され、テレビでも取り上げられました。

3. 愛のかたみ
- 作詞・作曲：財津和夫
- 編曲：チューリップ
- ボーカルをメガホン越しに録音し、ラジオ的なアレンジになっています。

4. たえちゃん
- 作詞：不詳、補作詞：財津和夫
- 作曲：財津和夫
- 博多の春歌をモチーフにした長大な楽曲で、一部歌詞は加工されています。

SIDE B

1. もしも僕が
- 作詞・作曲：安部俊幸
- 編曲：チューリップ
- ライブで頻繁にパフォーマンスされる曲です。

2. おいらの旅
- 作詞・作曲：財津和夫

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3. 一人がいいさ
- 作詞・作曲：財津和夫

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4. サボテンの花
- 作詞・作曲：財津和夫
- 先行シングルとしてもリリースされました。

5. 生きるといふこと
- 作詞・作曲：財津和夫
- 後に財津のソロアルバムでもセルフカバーされています。

6. ある昼下がり
- 作詞・作曲：姫野達也
- 初めての自作詞による楽曲です。

7. 人生ゲーム
- 作詞・作曲：財津和夫
- ユニークな内容で、ライブでは観客も巻き込んだ大合唱が定番です。

このアルバムは、チューリップの音楽史において特に意義深いものであり、メンバー各々の成長や音楽的な探究心が感じられる作品となっています。

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