無頼の群

無頼の群 (The Bravados)

『無頼の群』は、1958年に公開されたアメリカの西部劇映画で、監督はヘンリー・キング、主演はグレゴリー・ペックが務めています。この作品は、フランク・オルークの小説『The Bravados』を基にしており、復讐のために立ち上がった男の物語を描いています。

ストーリー概要

物語の舞台は、アメリカ南西部の小さな村リオ・アリバです。ここでは、銀行強盗を行った4人の凶悪な犯罪者、ザッカリー、テイラー、パラル、ルーファンが処刑される運命にあります。しかし、彼らの処刑を前に現れた死刑執行人シムズは、実際には彼らの仲間であり、保安官を重傷に追いやる反乱を起こし、自身は射殺されるのです。この騒動の中で、4人は逃走を果たします。

彼らの脱走によって、村の若い女性エマが人質に取られ、村人たちは必死に捜索隊を編成します。その中には、情報源として彼らを追っている一人の男、ジム・ダグラスがいました。ジムは半年前にこの4人の暴漢によって妻を殺された過去を持ち、復讐への執念を燃やしています。ジムは4人を一人一人追い詰めていく中で、次第に自分の正義感と復讐心が試されることになります。

ジムが彼らを追いかける中で、最後の1人であるルーファンがメキシコの家まで追い詰められると、意外な真実が明らかになります。実は、ジムが信じ込んでいたバトラーの証言は偽情報であり、実際にジムの妻を殺したのはバトラーであったのです。この真実は、ジムにとって非常に重い結果となり、彼は復讐の果てに自らが犯した罪を悔いなければならない状況に直面します。

人物描写とキャスト

ジム・ダグラスは、グレゴリー・ペックが演じる主人公であり、妻を失った悲劇を背負った男です。彼のかつての恋人、ジョセファをジョーン・コリンズが演じており、冒頭で再会を果たします。その他のキャストには、スティーヴン・ボイドの演じる銀行強盗犯のリーダー・ザッカリーや、冷静な案内人ルーファンを演じるヘンリー・シルヴァなど、多彩なメンバーが揃っています。

この映画は、罪の意識や復讐の心理をリアルに描き出しており、そのストーリー展開は観客に深い余韻を残します。ジムが神父に懺悔する場面では、彼の内面的な葛藤が見事に表現されています。物語のラストでは、村に戻ったジムが再生の道を歩むことを示唆しており、彼が幼い娘とジョセファとの新たな生活を始めていくことが暗示されています。

評価と受賞歴

『無頼の群』は、映画批評家たちから高評価を受けており、Rotten Tomatoesでは全てのレビューが良好で、平均点は10点満点中8点という評価を得ています。また、1958年には第30回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の助演男優賞をアルバート・サルミが受賞しており、作品のクオリティを裏付けています。

この映画は、単なる復讐劇に留まらない深いテーマを持っており、観客に思索を促す素晴らしい作品です。

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