アルバート・サルミ

アルバート・サルミは、1928年3月11日にニューヨーク・ブルックリンで、フィンランド移民の両親のもとに生まれました。家庭ではフィンランド語のみが使われる環境で育ちました。高校卒業後、第二次世界大戦に従軍し、退役後にアクターズ・スタジオで演技を学び、舞台俳優としてのキャリアをスタートさせました。

ブロードウェイの舞台にも立つようになり、1955年初演の『Bus Stop』ではボー・デッカー役を演じて成功を収めました。この作品は後にマリリン・モンロー主演で映画化もされています。

1950年代半ばからはテレビドラマにも出演するようになり、1958年には『カラマゾフの兄弟』で映画デビューを果たしました。同年の『無頼の群』と合わせて、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で助演男優賞を受賞しました。その後はテレビドラマを中心に活躍し、特に西部劇での演技が高く評価され、1967年にはWestern Heritage AwardのBronze Wranglerを受賞しました。

私生活では、1956年に元子役スターのペギー・アン・ガーナーと結婚し、娘のキャサリン・アン・サルミをもうけましたが、1963年に離婚。その後、1964年にロバータ・ポロックと再婚し、2人の子供を授かりました。娘のジェニファー・サルミは女優として活動しています。

サルミは、スクリーンでは悪役など強面の役柄を演じることが多かったですが、実際は物静かで家族思いの人物でした。ハリウッドの華やかな生活を好まず、晩年は妻とワシントン州スポケーンで暮らし、俳優の育成に力を入れていました。

1990年4月、サルミと妻ロバータは自宅で死亡している状態で発見されました。当時、2人は別居しており、自宅には妻が一人で暮らしていました。サルミは深刻な鬱病を患っており、妻を射殺後、自ら拳銃で自殺したとされています。

主な出演作品は以下の通りです。

カラマゾフの兄弟 (1958)
無頼の群 (1958)
許されざる者 (1960)
荒れ狂う河 (1960)
暴行 (1964)
墓石と決闘 (1967)
新・猿の惑星 (1971)
テキサス大強盗団 (1971)
燃えよ! カンフー (1972-1974) ※テレビシリーズ
巨大蟻の帝国 (1977)
チャールズ・ブロンソン/愛と銃弾 (1979)
超高層プロフェッショナル (1979)
ブルベイカー (1980)
ボールズ・ボールズ (1980)
ドラゴンスレイヤー (1981)
死線からの脱出 (1986)

サルミの生涯は、才能ある俳優としての輝きと、悲劇的な結末という二つの側面を持っていました。彼の演技は今も多くの人々に記憶されています。

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