煙山専太郎

煙山専太郎の生涯と業績

煙山専太郎（1877年6月3日 - 1954年3月21日）は、明治から昭和にかけて活躍した日本の西洋史学者および政治学者です。特にロシア史研究の先駆者として名を馳せており、早稲田大学名誉教授として多くの学生たちに指導しました。彼は岩手県の大川目村に生まれました。

教育と初期の経歴

煙山は盛岡尋常中学を経て、東京帝国大学の史学科に入学しましたが、後に哲学科へと転科しました。在学中から有賀長雄が主宰する『外交時報』に寄稿を始め、学問の道を歩み始めました。煙山はこの雑誌において、特に執筆面で貢献し、国際・外交問題についての研究を深めました。

代表的な著書とその影響

彼の代表作『近世無政府主義』は、1902年に出版され、当時のロシア・ナロードニキの重要なガイドブックと見なされています。この書籍は、幸徳秋水や宮下太吉など、後の無政府主義運動に多大な影響を与えました。煙山は、無政府主義を単なる宣伝ではなく、批判的な視点から正確に理解し、論じることを目的としたとされています。

学問のスタイル

煙山専太郎の学問は、帰納的手法を用いて個別の事実を徹底的に調査し、その成果を基に一般的な理解を導き出すスタイルが特徴です。このアプローチは、彼のロシア史研究に多くの後継者を連れてきました。特に、増田冨寿などの研究者が彼の業績を引き継ぎました。

大学でのキャリア

煙山は早稲田大学に迎えられ、西洋近世史および政治史の講義を担当しました。1911年から1945年まで教授として活躍し、その後1948年に名誉教授の称号を授与されました。彼の教育活動を通じて、多くの学生たちに影響を与え、ロシア史の研究の重要性を伝えました。

留学と晩年

1922年から1924年にかけて彼はヨーロッパへ留学し、その経験は彼の学問の幅を広げました。1950年から1953年には文化女子短期大学の学長を務めましたが、1954年に広島で亡くなるまで学問の道を貫きました。墓は岩手県盛岡市にあります。

人柄と交流

煙山専太郎は、当時の学界において重要な人脈を築いていました。有賀長雄からの影響を受け、学問の師として敬愛し続けたことが彼の研究活動の中で感じられます。このような師弟関係を通じて、彼の研究コンセプトが形成される場面が見られます。

先駆者としての名声

煙山の業績は、ロシア史だけでなく、近代政治や外交史における重要な視点を提供しました。その著書や論文は、今なお多くの研究者によって引用され、評価されています。彼の残した影響は、現在の日本の史学界においても重要な位置を占めています。

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