煙突ミサイル

宇宙戦艦ヤマトシリーズにおける煙突ミサイル：その概要と活躍

『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場する煙突ミサイルは、同シリーズを代表する兵器の一つです。ヤマト艦の後部、水上艦艇の煙突に相当する位置に設置された、特徴的な8連装発射管から発射されるミサイルです。正式名称は「対防空用垂直線方向長距離ミサイル」と設定されています。

その形状は、まさに艦の煙突を思わせるデザイン。この独特の外観から、シリーズを通して「煙突ミサイル」という愛称で親しまれてきました。発射管は8連装で、逐次装填式。誘導ミサイルであり、0.2秒から2秒という短い射撃間隔で連続発射が可能です。艦体に対して垂直方向にミサイルを発射する点は、現代の垂直発射システム(VLS)と類似しており、高い技術力をうかがわせます。

ヤマトの武装の中で、唯一艦体の上方、つまり真上方向への攻撃を可能にする兵器です。シリーズを通して、その攻撃対象も多岐に渡ります。対空ミサイルとしての活躍はもちろんのこと、『宇宙戦艦ヤマト2199』では対艦ミサイル、さらには対地ミサイルとしての運用も確認されています。

劇中での活躍：数々の戦いを彩る主力兵器

煙突ミサイルは、シリーズを通してヤマトの戦いを支える主力兵器として、数々の戦闘でその威力を発揮してきました。

初期の『宇宙戦艦ヤマト』では、ガミラス帝国の冥王星基地攻略戦において、反射衛星砲破壊工作の陽動として使用されました。その破壊力は、戦略核兵器を思わせるほどのものだったと描写されています。ガミラス本星決戦では、上空から降り注ぐ敵ミサイル迎撃にも重要な役割を果たしました。

『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』では、都市帝国戦において、敵艦の下部砲台破壊に使用されています。一方、『宇宙戦艦ヤマト2』では、ヤマトの自動化改修に反対する古代進に対し、地球防衛軍の参謀から「時代遅れの旧式装備」と評される場面も。これは、技術革新の激しい宇宙戦において、旧式兵器に対する評価の変化を示唆する描写と言えるでしょう。

『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』では、イスカンダル救援に向かう際に遭遇した暗黒星団帝国の艦隊に対し、敵艦隊の下方から連続発射を行い、敵艦を貫通するほどの威力を見せつけました。

『宇宙戦艦ヤマトIII』では、他のシリーズと比較して登場頻度が大幅に増加。ガルマン・ガミラス帝国のダゴン艦隊やボラー連邦本国艦隊の壊滅に大きく貢献するなど、その活躍は目覚ましいものがありました。

『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』では、ブラックホール宙域における星間国家連合艦隊との戦闘で、フリーデ艦隊に対して使用されています。

『宇宙戦艦ヤマト2199』では、「八連装ミサイル発射塔」という正式名称が与えられ、ガミラスの冥王星前線基地に対して、三式融合弾と連携した空対地攻撃を実施、基地の壊滅に貢献しました。劇場版『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』では、ガトランティス軍への攻撃で使用され、敵艦の撃沈に繋がる活躍を見せています。

まとめ：シリーズを象徴する存在

このように、煙突ミサイルは、その独特の形状と高い攻撃力、そしてシリーズを通して様々な場面で活躍したことから、『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』を象徴する兵器の一つと言えるでしょう。その存在は、視聴者にとって、ヤマトの活躍を想起させる、重要な要素となっています。

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