照屋寛之

照屋 寛之（てるや ひろゆき）

照屋寛之は、1952年に沖縄県に生まれた政治学者です。行政学および政治学を専門分野とし、長年にわたり沖縄国際大学で教育・研究活動に従事しました。同大学の発展に寄与し、退職後には名誉教授の称号を授与されています。また、政治家で弁護士としても知られる照屋寛徳氏とは親戚関係にあります。

生い立ちと教育背景

照屋氏の故郷は、現在のうるま市の一部である具志川市の宇前原地区です。幼少期から青年期にかけて、地元の教育機関で学びました。具体的には、高江洲小学校、高江洲中学校を経て、前原高校を卒業。高等教育は琉球大学で受け、学士号を取得しました。さらに専門性を深めるため、日本大学大学院法学研究科の博士後期課程に進学し、学術研究の道を進みました。大学院では単位を取得した後に退学しています。

学術・教育活動

大学院での学びを終えた後、照屋寛之氏は沖縄国際大学を主な活動拠点としました。1999年には同大学の専任講師として着任し、後進の指導にあたるとともに、自身の研究を進めました。その後、助教授へと昇任。そして2006年には教授となり、研究者・教育者としての地位を確固たるものとしました。沖縄国際大学における在職期間中、照屋氏は教育・研究活動にとどまらず、大学の運営にも深く関与しました。沖縄国際大学沖縄法政研究所所長を務め、法学や政治学に関する研究活動の推進に貢献。また、大学全体の運営に関わる副学長の要職や、学術資源の中心である図書館長なども歴任し、大学の発展に多大な貢献をしました。2021年2月には、長年の教職生活に区切りをつけ、沖縄国際大学を退職しています。

退職後の活動と社会への関わり

大学を退職した照屋氏は、その後新たな分野への挑戦を選びます。2021年4月に行われたうるま市の市長選挙に、無所属の新人候補として出馬しました。長年の学識経験と地域への理解を活かし、市政への貢献を目指しましたが、選挙戦では同じく新人であり、前市議会議員であった中村正人氏に及びませんでした。この挑戦は、学術の世界から一歩踏み出し、直接的に地域社会の課題解決に取り組もうとする照屋氏の姿勢を示すものでした。

主な著作

照屋寛之氏は、専門分野である行政学や政治学に関する研究成果を、共著や編著といった形で発表しています。主なものとしては、現代の政治のあり方や研究方法に焦点を当てた『現代政治のアプローチ』（藤原孝、奥村大作、秋山和宏、杉本稔との共著、1996年、北樹出版）があります。また、政治家が有するべき「発言力」というテーマに迫った『発言力―政治家は言葉を磨け?!』（秋山和宏、石川晃司との共著、2000年、サンワコーポレーション）では、政治とコミュニケーションの重要性について考察しています。さらに、現代社会が直面する多様な「危機の時代」における「知」の役割や挑戦について論じた『危機の時代と「知」の挑戦(上)』（高良鉄美、村上雄一、畑仲哲雄、村井良太、尹永洙、村上綱実、土屋耕平、萩野寛雄、中野晃一らとの編著、2018年、論創社）にも名を連ねており、幅広い学術的関心を持っていたことがうかがえます。

行政学、政治学の研究者として教育・研究に尽力し、大学の要職を通じて学術機関の運営にも貢献した照屋寛之氏。大学退職後には地域社会のリーダーを目指して選挙にも立候補するなど、その活動は多岐にわたります。

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