熊岡路矢

熊岡路矢（くまおかみちや）について

1947年2月1日、東京に生まれた熊岡路矢は、日本の著名な市民活動家であり、様々な国際的活動に取り組んできました。特に、彼は日本映画大学の名誉教授として映画教育に携わりながら、難民支援や人道支援活動に多大な貢献をしています。熊岡は東京外国語大学の中国語学科に進学したものの、1970年に中退。その後、自動車修理や整備に関する訓練を経て、職業訓練指導員の道に進みました。

彼の海外活動は1980年に始まり、タイのウボン・ラオス人難民キャンプにおいて自動車技術学校の設立に携わったことからスタートします。UNHCRの依頼を受け、熊岡はカンボジア国境の難民キャンプでも「平和」技術学校を開設し、難民の自立支援に努めました。その後、シンガポールのベトナム難民キャンプでの管理・運営者としても活動を展開し、国際的な難民問題への理解を深めました。

1982年にはJVC（日本国際ボランティアセンター）に戻り、事務局長として更なる展開を行いました。1983年にはカンボジア政府と人道的な復興支援についての協議を行い、井戸掘りや給水活動に取り組むなど、地域のインフラ整備にも尽力しました。さらには、教育支援として学校の建設や芸術教育の推進を行い、多くの子どもたちに学びの機会を提供しました。

熊岡は、1989年にジュネーブでの国連およびUNHCR主催の「インドシナ難民国際会議」に参加し、ベトナム代表団と人道復興支援の協力に関する協議を進めました。さらに1990年より、ハノイ市やホーチミン市で職業訓練センターの設立・運営に携わるなど、帰還難民の生活支援にも寄与しました。

1993年からは「カンボジア市民フォーラム」の事務局長に就任し、その後も様々な国際的な活動に関与しました。1995年にはJVCの代表に選ばれ、アジア、エチオピアだけでなく、パレスチナや南アフリカなどでの支援活動に取り組みました。1999年にはユーゴスラビアの空爆時にベオグラードに赴き、医療クリニックへの支援を行い、コソボの学校復興の調査を行うなど、困難な地域での支援にも力を注ぎました。

さらに、国際紛争、特にアフガニスタンやイラクにおいても、熊岡は人道支援活動に関与し戦争の影響を受けた住民の支援に努めました。2006年にはJVCの代表理事を退任し、東京大学大学院や上智大学、明治学院大学などで講義を行うようになりました。これにより、次世代への知識移転に貢献し、国際協力の重要性を伝える役割を果たしています。

また、熊岡は法務省の難民審査参与員の他、様々な役職を歴任してきました。著著として『戦争の現場で考えた空爆、占領、難民』や『カンボジア最前線』などがあり、彼の経験と見解が多くの人々に影響を与えています。彼の活動は、国際社会における人道的な取り組みが如何に重要であるかを示す証となっています。

もう一度検索