職業訓練指導員とは？意味をやさしく解説

職業訓練指導員とは

職業訓練指導員は、公共職業訓練施設や認定職業訓練機関において、職業に必要な技能や知識を指導する専門家です。彼らは、単に知識を伝えるだけでなく、働く人々や産業界のニーズに応じた教育訓練プログラムを開発し、キャリア形成に関する相談や支援も行います。職業能力開発促進法を根拠法とし、厚生労働省は「テクノインストラクター」という愛称を定め、その重要性を強調しています。

職業訓練指導員の資格

職業訓練指導員には、担当する訓練の種類によって必要な資格が異なります。

普通職業訓練の場合

原則として、普通職業訓練を担当するには、対応する職種の職業訓練指導員免許が必要です。ただし、短期課程や教科によっては、免許がなくても、同等以上の能力を持つと認められた場合に限り、指導に当たることができます。

高度職業訓練の場合

高度職業訓練では、必ずしも免許は必要ではありません。しかし、専門課程や応用課程を担当する指導員は、博士号や修士号を持つか、同等の知識・技能を有することが求められます。専門短期課程や応用短期課程では、これらの要件は必須ではありません。

職業訓練指導員免許は、都道府県知事によって交付され、2024年4月現在、123職種あります。免許を申請するには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

1. 職業能力開発総合大学校の長期課程または専門課程の指導員訓練修了者
2. 都道府県が実施する職業訓練指導員試験の合格者
3. 上記と同等以上の能力を有する者
一級または単一等級の技能検定合格者で、厚生労働大臣指定の48時間講習修了者
大学や大学院で指定科目の単位を80%以上取得し、教育職員免許状を持つ者
応用課程の高度職業訓練修了者で1年以上の実務経験がある者
普通課程の普通職業訓練修了者で6年以上の実務経験がある者
大学卒業者で2年以上の実務経験がある者
短期大学または高等専門学校卒業者で4年以上の実務経験がある者
高等学校卒業者で7年以上の実務経験がある者

職業訓練指導員試験

試験は各都道府県で年1回実施され、学科試験と実技試験があります。学科試験には、全職種共通の「指導方法」と、職種別の「系基礎学科」と「専攻学科」があります。実技試験も職種別に行われます。試験内容は国が指針を示していますが、一部の科目は都道府県によって実施されない場合があります。

受験資格と試験免除

受験には、職種に応じた学歴と実務経験が必要です。一定の免許や資格を持つことで、学科試験や実技試験の一部が免除されます。

主な免除例

応用課程の高度職業訓練修了者：「系基礎学科」と「専攻学科」が免除
専門課程の高度職業訓練修了者：1年以上の実務経験で、「系基礎学科」と「専攻学科」が免除
大学卒業者：1年以上の実務経験で、「系基礎学科」と「専攻学科」が免除
技能検定1級または単一等級合格者：「実技」「系基礎学科」「専攻学科」が免除
技能検定2級合格者：「実技」が免除

厚生労働大臣指定講習（48時間講習）

この講習は、都道府県職業能力開発協会が実施し、指導方法に関する科目を学びます。講習内容は、職業訓練原理、教科指導法、労働安全衛生、訓練生の心理、生活指導、関連法規、事例研究、確認テストです。

職種

職業訓練指導員免許には、123の職種があり、それぞれの専門分野で指導を行います。

職業訓練指導員