熊本信夫

熊本 信夫（くまもと のぶを）の略歴と業績

熊本信夫氏は、1935年12月16日に生まれ、2022年10月6日に逝去した日本の法学者です。行政法やアメリカ合衆国憲法、特に政教分離、行政手続法、環境法を専門としており、法学博士の学位を北海道大学で取得しました。その学位論文は「アメリカにおける政教分離の原則」と題されたもので、彼の研究活動の基盤となりました。

学歴と職歴の概略

熊本氏は、1951年に北海中学校を卒業し、1954年には北海高等学校を卒業しました。その後、1961年に北海道大学法学部を卒業し、1964年には同大学院法学研究科公法専攻の修士課程を修了しました。1973年には法学博士の学位を取得することになります。さらに、1974年にはカリフォルニア大学バークレー校ロースクール大学院を修了し、LL.M.の学位を得ました。

キャリアの初期には、1964年に北海道大学法学部助手として就職し、その後、北海学園大学に移り、1967年から1974年まで講師、助教授、教授として在籍しました。1996年から2005年まで、同大学の学長を務めました。2005年に定年退職した後も、北海学園大学大学院法務研究科で教授として活躍を続ける一方、弁護士としても活動を行いました。

教育者としての一面

彼は、北海学園大学での教員時代に行政法の授業を担当し、特に単位取得試験に対して非常に厳格な態度で知られていました。そのため、進級や卒業に至らなかった学生も多く、彼の姿勢は教育界に強い影響を及ぼしました。彼の愛情と期待に応えるために、多くの学生たちはその厳しさを受け入れ、学び舌たちました。

業績と叙位・叙勲

熊本氏の著作には、1968年に出版された『生活環境保護の法理と手続』や、1972年初版と1989年増補版として刊行された『アメリカにおける政教分離の原則』があり、行政法に関する重要な文献として評価されています。他にも『行政手続の課題』や、共著による『教材行政法判例』など、多くの業績を残しております。

彼の教育と研究の功績が称えられ、1993年には藍綬褒章を受章し、2012年には瑞宝中綬章を受勲しました。また、1978年から2004年まで、北海道地方労働委員会の委員および会長を務めるなど、学外でもその知識と経験を社会に還元し続けました。

最後に

彼は法律の専門家として、また教育者として多くの人々に影響を与え、その功績は後世に語り継がれています。熊本信夫氏の人生は、法学の発展と教育に尽力した姿勢を表すものであり、多くの学生や法律関係者にとっての光となる存在でした。

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