熊本市歌

熊本市歌：古都に響く市民の歌

「熊本市歌」は、熊本県熊本市の市歌であり、市民に親しまれています。この歌は、1930年（昭和5年）に制定され、その歌詞は一般公募によって選ばれました。作曲は、当時の熊本県第二師範学校音楽教諭であった鳥飼哲夫が手掛けています。編曲は坂本英二が担当しました。

制定の背景

市歌制定の動きは、1930年に九州新聞（現在の熊本日日新聞）が歌詞の公募を行ったことから始まりました。選ばれた歌詞に鳥飼哲夫が曲を付け、同年3月に「熊本市歌」として正式に制定されました。これは、政令指定都市の市歌としては、横浜市歌、名古屋市歌、大阪市歌、千葉市歌に次いで5番目に古い歴史を持っています。

「森の都」の由来

市歌の2番の歌詞に登場する「森の都」というフレーズは、熊本市の雅称として広く知られています。このフレーズは、市歌に先駆けて1928年（昭和3年）に制定された旧熊本県立第二高等女学校の校歌にも用いられており、熊本市のイメージを決定づける要素となりました。1972年（昭和47年）には、熊本市議会で「森の都」都市宣言が決議され、市のアイデンティティとして確立されています。

その他の関連楽曲

熊本市には、市歌以外にも市民に親しまれている楽曲があります。1989年（平成元年）には、市制100周年を記念して「光るグリーンシティ」が、2009年（平成21年）には市制120周年を記念して「ときめいて・くまもと」という愛唱歌が制作されました。これらの楽曲も、市歌と同様に市民の心を結びつけ、熊本市への愛着を深める役割を果たしています。

熊本市歌は、単なる市を代表する歌としてだけでなく、熊本市の歴史や文化、そして市民の誇りを象徴する存在と言えるでしょう。その美しい旋律と歌詞は、世代を超えて歌い継がれ、熊本市のアイデンティティを формируют し続けるでしょう。

参考文献：
中山裕一郎 監修『全国 都道府県の歌・市の歌』（東京堂出版、2012年） ISBN 978-4-490-20803-0

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