熊谷公男

熊谷公男（くまがい きみお）

プロフィール

熊谷公男は、1949年に宮城県で生まれました。東北大学大学院文学研究科で国史学を専攻し、博士課程を単位取得退学しました。その後、宮内庁正倉院事務所技者などを経て、東北学院大学教授に就任。同大学東北文化研究所所長も務めました。2017年に退任し、現在は東北学院大学名誉教授です。

研究分野

専門は日本古代史であり、特に以下の分野に深い知識と研究業績があります。

古代蝦夷論: 古代東北地方に居住していたとされる「蝦夷」について、その実態や古代国家との関係を研究しています。文献史料だけでなく、考古学的知見も取り入れ、多角的に分析している点が特徴です。
氏姓制度: 古代日本の社会構造を理解する上で重要な氏姓制度について、その成立や変遷、社会における役割などを研究しています。制度の歴史的背景や、当時の人々の生活との関わりを明らかにしようとしています。
古代王権論: 古代日本の王権がどのように形成され、発展してきたのかを研究しています。天皇の権威や政治体制、儀式などを分析し、古代国家の成立過程を解明しようとしています。

著書

熊谷公男は、多数の著書や論文を発表しており、その研究成果は高く評価されています。

単著

『大王から天皇へ』（日本の歴史）講談社、2000年
『古代の蝦夷と城柵』吉川弘文館、2004年
『蝦夷の地と古代国家』小学館、2004年

編著

『境界と自他の認識』清文堂出版、2013年
『蝦夷と城柵の時代』吉川弘文館、2015年

共著

『日本古代史研究 : 関晃先生還暦記念』吉川弘文館、1980年
『古代史研究の最前線』雄山閣出版、1986年
『東北古代史の研究』吉川弘文館、1986年
『神道大系』 神道大系編纂会、1993年
『律令国家の地方支配』吉川弘文館、1995年
『古代史の舞台』岩波書店、2006年
『古代中世の蝦夷世界』高志書院、2011年

論文

『古代の[蝦夷]について(賢問愚問)』 歴史と地理 （496）、1996年12月
『古代蝦夷と仏教』 (日本史の研究(225)) 歴史と地理 （625）、2009年06月
『古代史からみた古墳時代--稲荷山鉄剣銘を読みなおす』 季刊考古学（117）、2011年11月

研究の特徴

熊谷公男の研究は、文献史料の精密な読解に加え、考古学的な知見も積極的に取り入れている点が特徴です。これにより、歴史的事象を多角的に捉え、より実証的な研究を進めています。

また、古代蝦夷に関する研究では、従来の「征服される側」という一方的な見方にとらわれず、彼らの文化や社会構造にも注目し、多面的に捉えようとする姿勢が評価されています。

社会的貢献

熊谷公男は、長年にわたり、東北学院大学で教鞭を執り、多くの歴史研究者を育成しました。また、著書や論文を通じて、一般の人々にも古代史の面白さを伝え、歴史への関心を高めることに貢献しています。

外部リンク

* 東北学院大学「熊谷公男」'>東北学院大学「熊谷公男」

もう一度検索